Addict【黒】 (ページ7)

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彼が散歩したいと言うからゆっくり話しながら歩いた

目｢Aさんって、大学生ですか？｣

｢うん、そうだよ｣

そう言えば今まで蓮くんの話ばかり聞いていたから自分のことはあまり話していなかった

目｢ごめんなさい、授業中でしたよね…？｣

彼はとても申し訳なさそうな顔をしている

｢ううん、大丈夫蓮くんに会えて嬉しいし｣

蓮くんは外の景色を楽しみながら歩いている

目｢僕、散歩するの好きだったんです。やっぱいいですね、散歩って｣

｢そっか、わたしあんまり散歩しないんだよね｣

風が吹く度、端正な顔があらわになる

夏風になびかれ遠くを見つめる表情は高校生には見えなくって私より年上に見える

目｢僕、学校行ってないのが親にバレちゃって｣

今まで前を向いて歩いていたのに俯いて話し始めた

目｢制服着て、学校行くふりしてネットカフェに行ったりしてたんです。それが最近バレて怒られちゃって｣

｢学校は行きたくないなら無理に行かなくていいよ｣

私だって分かる

死ぬほど学校に行きたくない気持ちが