君のお陰で < すとぷり > < 桃 > (ページ16)

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莉犬side

「ここだよ...な...」

凄い豪華な装飾品に、お高そうにキラキラ光っている見たこともない車。

検索したら、車両本体価格が6000万円を超えていた。

どんな人が住んでるんだろうか...

インターホンを鳴らしたら、直ぐにさとみくんが出てきた。

「やっほー、遊びに来たよ！」

さ「今居ないから、さっさと上がって」

「おじゃましまー...」

俺は人生で初めてこんなに綺麗な家を見たかもしれない。

さ「あいつ、結構金持ってるからこんなに贅沢な家に一人暮らししてたんだぜ？」

「もしかして...それが目当て？」

さ「なっ！？ちげーよ！単純に可哀想だっただけだ」

「可哀想？」

さ「ん？ああ、実はだな...」

さとみくんに同棲相手の事を教えてもらった。

一人暮らしをしていること、HSPということ、寂しい思いをしていることとか、色々。

俺にはそんなの耐えられない。

小さい頃からそんな感情溜められない。

俺だって今まで辛い思いはしてきた。

でも、この子は親に会いたいときに会えないし、手駒扱いされてきた。

俺は違う、さとみくんとも違う辛み。

「その子のこと、守りたいんだね」

さ「ああ...守りたい」

「俺も協力するよ、辛い時があったら頼って」

さ「...ありがとう、莉犬」

メンバーのこと助けるなんて、当たり前じゃんか！

？「ただいま～...」

すると、玄関から女の子の声が聞こえた。

さ「あ、おかえり」

その子は...

「Emmaちゃん？！」

俺の推しだった。