きみは世界の中心2【佐野玲於】 (ページ5)

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○ 55 悪くないページ5

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Aは俺の後ろをトコトコついてきながら、

『ねえ、さっきの話なに？？』

『教えてくれないの？』

なんて、ずっとこれの繰り返し

玲「教えてやんね」

だって、言ったら真幸さんに口止めするでしょ。
そしたら俺の知らない部分のAを知れなくなる。

なんて内心思いつつ、口に出せるわけなくて、
意地悪、なんて呟くAを横目で見て

玲「腹減ってんじゃねーの？」

なんて話を逸らした

『すいてる』

玲「寿司、寿司食いたい」

こうでも言わないと、お腹空いてるかご飯行きたいなんて言わなそうだし。

なんなら、俺とご飯なんて行ってくれなそうだし。

なんて自分に言い聞かせた

『食べたい！！』

目をキラキラさせて、嬉しそうにこっちを見るA。

そんな腹減ってんの。笑

『玲於くん早く！』

さっきとは打って変わって、嬉しそうにスキップしながら俺の前を行くAに思わず笑いが溢れた。

ああ、こんな日も悪くねえな、なんて。

さっきまでの仕事の疲れなんてどっかに飛んでって、
俺より何メートルも先にいるAのところに小走りで向かった。

『早くしないとだよ！閉まっちゃうよ！』

俺を急かす君も悪くなくて。

玲「閉まんねーよ笑」

柄にもなく、喜んでる俺も悪くない。

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