きみは世界の中心2【佐野玲於】 (ページ19)

今日:10 hit、昨日:12 hit、合計:14,063 hit

○69 ページ19

__

玲「Aはさ、なんかやりたいこととかあんの？将来。」

『ええ、うーん、一応あるけど...』

俺の話なんかよりも、
Aの話が聞きたくなって、
咄嗟に頭に出てきた質問を投げかけた。

『言うの恥ずかしいんだけど...笑』

玲「いいから、何？」

『ファッション関係とか...
あとは、歌とか』

そう言うと恥ずかしそうに

『願望だからね、願望。』

なんて小さい声で付け加えられた言葉。

玲「いいじゃんめっちゃ」

『そうかな、でも頑張らないとだね』

玲「大丈夫。」

　

えぇ〜なんて電話越しに聞こえるのを無視して

玲「まあ、じゃあいつか一緒に仕事させてください」

玲「Aがしたいなら。」

　

俺の精一杯の強がりで、俺の精一杯の言葉だった。

『ふふっ、何それ笑
してあげてもいいですよ？』

玲於くんがしたいならなんて

俺の真似をする君。

　

玲「年下のくせに生意気。うぜ〜笑」

『年上のくせに〜』

玲「まじ何言ってんの笑」

2人で笑い合うこの時間を

俺は何よりも待ち望んでて、

自然と込み上げてくる感情に、ニヤケが止まらなかった。

早く会いたい。

その思いばっか募って、

ツアーが終わったら1番に会いに行こう。

そう自分の心に決めた。

ちらっと時計を見ると気づいたら
1:56

流石に切らなきゃやべーか。

玲「また、電話かけていい？」

『勿論だよ！待ってる』

そう言って電話を切った。

最後の一言でツアー頑張れそう。

単純だな、俺

でも、そのくらい俺にとってAの存在がデカくなってるってわけで。

もう俺にとってただの知り合い、友達じゃない存在ってことにも気づいていた。

__