きみは世界の中心2【佐野玲於】 (ページ2)

今日:2 hit、昨日:12 hit、合計:14,043 hit

○ 52 脳内再生　玲於side ページ2

__

玲於side

ちらって横を見ると、
難しい顔をしてパソコンを見つめている。

難しいのかなんなのか、目に力入ってんのか、眉間に皺寄ってて。

俺のことを待ってたなんて可愛いこと言うこいつ。

今の一瞬で、『待ってた』その一言を何回脳内で再生したんだろ。

また思い出すだけでにやけそうになる、
流石にキモすぎだろ、俺。

『ねえ、玲於くん、佐野玲於くん、おーい』

玲「え？」

『え？じゃなくて、何考え事してるの？』

考え事、。
さっきのAの言葉を頭の中で再生してました。なんて馬鹿正直に言えるわけもなく、、。

玲「、仕事のこと」

『そっか、仕事忙しいんだね、、、、。
　全然先帰っちゃっていいからね！』

照れ隠しでついた嘘。

素直になれなくてついた嘘。

そんなんでも、申し訳なさそうにそう言うA。

玲「待ってる」

帰るわけないじゃん、会うために来たんだからなんて言えない素直な俺はいなくて。

俺にはこれが精一杯だった。

『え？』

俺がこんなこと言うって思ってなかったのか、
間抜けな顔をしてこっちを見つめた。

玲「待っててやるって言ってんの」

そう言うとびっくりしてた顔が
絵に描いたように明るくなって

『ダッシュする！』

なんて。単純なやつ。

にこにこしながらパソコンに向かって、さっきとは打って変わったペースで進めていった

そっから20分くらい経ってから

『終わった！終わりました！』

って俺の方きらきらしながら言ってきて、

その後、店の中キョロキョロしながら
あ！声おっきかったかな、笑
なんて笑ってるAが愛おしかった

__