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「おっ…と、すまねぇ。少々話しすぎた」
「いや!もっとお聞かせ願いたい…」
もっと話を聞こうとする師範の袖を遠慮がちに引っ張って耳元で任務、と呟く
「そうであった…すまぬが店主。最後にかき氷を出してもらってもよろしいだろうか。俺達には用があったのだ…」
しょんぼりとする師範の逞しい背中にポンッと手を置いてまた今度来ましょ?と笑いかけた
「……うむ!そうだな、今度用がない時に来ようではないか!」
師範に私は大きく頷いたが、この時の約束はついぞ果たされることはなかった
「お待ち、かき氷だよ」
出されたかき氷はとても魅力的な物だった
見るからにふわふわとしていて白く眩い輝きを発しかけられた餡蜜が甘い匂いを漂わせ食欲を引き立てる
私はスプーンを手に取り無我夢中で食べ進めた
口に入れると冷たくてゆっくりと溶けていく
『甘い……美味しい。ここに来てよかった、ありがとう。師範』
「うむ!Aが良かったら何よりだ!どんどん頼め!」
『いや、流石にお腹いっぱいだから…』
「そうか……店主!お支払を!」
師範が奢ると言うので大丈夫!と言うも柱はお給料が多く使い道に困っているらしい
いや、師範はほとんどが食費に消えるでしょう……取っておいた方が…
そう思いながらも軽やかに店を出て私は無限列車へと向かった
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作者名:イカ星人 | 作成日時:2020年1月19日 19時