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亮二side
「さぁ、ってなんだよ」
俺は善三に近づいてジッと見つめてみた
可愛い弟の恋愛事情……少しくらいは知っておきたい
「……分かんないって、兄貴近い」
「すまねぇ…」
Aも言ってたが善三は俺達の呼び方をいつの間にか変えていやがった…そう言うお年頃なんだろって思っても何だか腑に落ちねぇ
「兄貴は………さ、もし希羅さんを好いたとして。その気持ちを伝える?」
こう言われて俺は少し口を閉じて考えた
俺が希羅を好き……?
あいつと最初になった合同任務ではあいつは暗かった。任務終わりに何かあるのかと聞くと両親や知り合いを鬼に殺されて双子の妹以外は皆死んだらしい
分かってはいたが鬼殺隊に入ってる連中は知り合いや肉親を鬼に殺された憎しみ… あるいは金の為だったが希羅は前者だった
そんな希羅に俺は少しずつでもいいから笑顔になればいいと言った。些細な事でも楽しい、嬉しい事を見つけろと
¨笑う角には福来る、って言うだろ?お前は綺麗なんだからそうやって笑えばもっと綺麗だと思うぜ¨
その後からだったか、彼女は会うたび笑顔で手を振ってくれた
いつしか、彼女の笑顔をもっと見たいと思うようになった。笑顔以外にも彼女の様々な表情を見たいとも思った
「好きかわかんねぇけどあいつの笑顔をもっと見たいとは思ったことがある…好きならこの気持ちは伝えるな。いつ死ぬかわかんねぇし」
もし、これが恋ならば………俺は想いを伝えるかも知れない
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作者名:イカ星人 | 作成日時:2020年1月19日 19時