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『カナヲ!ちょっと頼んでもいいかな?』
アオイから休息!と言われて私は体をゆっくりと休めてカナヲと練習試合をしてもらうように頼んだ
しのぶさんは任務らしく居ないのでカナヲに頼むことにした
『お願い!一緒に稽古してほしいんだけど…』
手を合わせてカナヲに頼むとカナヲは銅貨を弾き裏か表か確認すると頷いてくれた
『ありがとう!じゃあ、木刀で!』
稽古場への案内されて私は木刀を持ち軽く振る
「……A、怪我は大丈夫?」
『うん!心配してくれてありがとう!』
カナヲにそう言うとカナヲは笑みを崩さず平気、と呟いたままだった
なんだろう…カナヲが前とはいい意味で変わった気がする。
『なんか、カナヲ良い意味で変わったね。前までは何も考えていない感じだったけど今は小さいけど意思があるのが分かるよ』
そう言うとカナヲは少しだけ目を見開くと分かるの?と言ってきた
『私はさ、昔は山中で住んでたから耳とか鼻とか目、体の皮膚が人と比べて鋭いんだ。だから人が嘘ついてるのか本当のことを言っているのか喜怒哀楽だったり気配で遠くに鬼が居るのとか分かるんだ。』
「………凄い」
真っ直ぐとそう言われて少し気恥ずかしくなり視線をカナヲから手へと移した
『カナヲは全てどうでもいいみたいな感じだったから自分の意思で少しずつ決められるって言うのは大きな進歩だと思うよ。それが人に背中を押されてできたことでもやったのはカナヲだから』
「……そう言ってもらえると嬉しい…ありがとう」
どういたしましてと微笑んで容赦無く木刀をカナヲへ振った
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作者名:イカ星人 | 作成日時:2020年1月19日 19時