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はぁ、と朝起きて早々溜め息をつく
太陽が雲に隠れてしまってる日は1日憂鬱だ。動きたくなくなる
でも、この歳でそんな子供染みた事は言ってられないと自分に渇を入れ水を汲みに走った
水を汲み終わったら山へと食べれる草を取りに行って火をおこして獲って来た鹿肉を焼いて簡単な朝食を作った
朝ご飯を作り終えると家族が眠たそうな目を擦って起きて来る
「おはよ、美味しそうな料理だね」
『おはよう、正一兄さん。簡単な物ばかりだけど…』
「ん、これは先日捕まえた鹿の肉か?良い匂いだ。香草を取って来てたのか?」
『そうだよ。亮二兄さん、皆朝弱いから一人で行って来たんだよ』
えっへん、と胸を張ればそうかそうか、いつもありがとなと頭を乱暴に掻き乱された
『へへっ、あっ善三達は?起こした?』
「あっ、まだ起こして無いや。ごめんよ」
温厚で優しい正一兄さんはほわほわとした笑みを浮かべて居寝室へとのんびり向かったその隣を慌ただしく亮二兄さんが走り抜ける
兄弟でどうしてこうも性格が違うのかと不思議に思って首をかしげた
優しく温厚で喧嘩などを好まない正一兄さんは町で言いがかりを吹っ掛けられてもにこやかな笑顔でその場をやり過ごすのに対して亮二兄さんは……
何だとこの野郎!と相手の胸ぐらを掴み殴り合いに発展し、最終的には腕っぷしの強い亮二兄さんが相手を一方的に殴り付け大人が止めに入るのだ
そのせいか、亮二兄さんが町へ行くとなると必ず両親以外で喧嘩を止めれる唯一の存在。正一兄さんも付いて行くのだ
そう思うと少しは正一兄さんの穏やかさを見習ってほしいとつくづく思うのである
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作者名:イカ星人 | 作成日時:2020年1月3日 20時