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「だが、残念だ…君が病に侵される前に闘いたかった…あぁ、とても残念でならない…」
「……黙れ、お前ごときならばこの体でも勝てるわ」
「あれ〜そんなこと言っていいのかな?僕は上弦だよ。ほら」
「なっ……上弦は壱から陸までしか…」
「知らなかったんだぁ…そんな体じゃ呼吸使えない?」
「お前に言う筋合いはない」
お父さんとそいつは斬り合いながら壊れた上へと出て行き闘いを続けた
「圭四!愛子!意識はある!?返事をしなさい!正一!亮二と善三をお願い!お願いだから……私からもう、奪わないでほしい…」
周りを辛うじて動く首を回して見ると酷い有り様だった
木材に潰された圭四と愛子の近くからは大きな血だまりができているらしく木材が真っ赤に染まっていて血が床を赤く染めていった
善三は腕が可笑しな方向を向いて泡を吹いていた
亮二兄さんは脇腹に尖った木が刺さっていて傍らでは必死に正一兄さんが止血をしていた
私が、できることは……どうしよう、私は…
「おぉ、ラッキー…」
寒気がするような声がしたと音声の主の方を振り向けば舌を出したさっき森で見かけたやつが正一兄さんへと爪を振りかざした
私は咄嗟に近くにあった斧を化け物へと投げた
斧はそいつの腕を見事に落とした
「あぁ!?くそっ…いてぇ!このガキがぁぁ!」
私に向かって来た化け物を正一兄さんが後ろから木を縛るための縄で輪を作り化け物の頸へと入れて後ろから引っ張ると頸が吹っ飛んだ
まだよろよろと動くそいつを力の限り押して岩や杭で固定する
『ほんと………ほんと、なんなんだよ!』
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作者名:イカ星人 | 作成日時:2020年1月3日 20時