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何故？ 何故、って何が？
別に可笑しいこと言ってなくね？ 謙虚、で済ませられる台詞だと思うんだけど。
まさかそこを突っ込まれるとは考えてなくて、しばし逡巡したのち、私は口を開いた。
『この村での生活は保証して頂けるとのことですし、私はそれに見合う働きをさせて頂くつもりです。持ちつ持たれつ……そこに身分は必要ないと考えたのですが』
「……」
私、意外と言い訳するの得意なんじゃない？ 伊達に二回目生きてねぇなぁ。
グルッペンさんは一瞬口をつぐんでから、なるほど、と小さく呟いたようだった。
「ではA嬢、今後についてだが」
『……』
そこで急に変わった声音に、思わず瞬きを繰り返す。いや確かに、好きなように接しろみたいに言ったけども。
驚いたと同時、まさにこれが本来の彼だといわんばかりにカチリと嵌った態度に、込み上げた笑いを押し込めながら、はい、と返事をした。
「先程も言った通り、君にしてもらいたいのは竜王の"世話係"。といっても、竜たちは人間が手を出さずとも生きていけるので、本来なら必要ない役目なのだが」
『はい』
「何分、もう分かっていると思うが、我々村の民にも竜と意思疎通ができる者は居やしない。君には、我々と竜王との橋渡しをしてもらいたいのだ」
『橋渡し……』
――"竜の棲む村"。
ここに住む人間というのは、別名"竜の守り人"ともいわれるんだそうだ。
長く、古の時代からあの山岳を棲み処にしてきた竜たちに、寄り添う人間たちとして。
強大な力をもつ竜にはそれだけ、力を狙う外敵も多かった。
竜たちが平穏に暮らせるよう、また万一にも竜たちの怒りを買わないよう、つまりはクッションになる存在。それが、彼ら。
しかもつい最近には、新しい世代の竜王まで誕生した。
『竜王というのは、世代があるのですか？』
「長命な竜の中でも、竜王は一際永い時を生きる。しかしいずれは命を終え、次の竜王が生まれる。そのスパンといえば、まぁ、人間からしたら途方もないものだが」
『そう、ですか』
――永い時を。
今世の竜王は、たった十数年前に生まれたと聞いた。
じゃあ彼がその命を終えるのは、あと一体どれくらい後のことなのか。
まず間違いなく、その時を一緒に迎えることは出来ないんだろう。
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感情末期 - コメント失礼しますー!巡回いってきます!!大好きです!!いってきます! (2021年10月5日 22時) (
レス) id: c7b86b77aa (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 蓮さん» コメントありがとうございます。頑張って組み込んだコメディ部分、ウケたようで嬉しいです(笑) 応援ありがとうございます。 (2020年5月21日 2時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - コメント失礼します！ふにんきのところ笑っいました。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: a5a3967b27 (このIDを非表示/違反報告)
江之子(プロフ) - 櫻華さん» コメントありがとうございます。これからもご満足いただける作品になるよう頑張ります！このご時世なので、櫻華さんも重々ご自愛くださいね。 (2020年5月20日 22時) (レス) id: f8221d30c6 (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 初コメ失礼します！リアリティのあるお話で、とてもハマりました！お身体に気をつけて、これからも更新頑張ってください！ (2020年5月20日 16時) (レス) id: e0d01a51ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年4月24日 1時
