【実.況者】続、奇石的にマジカル！【wrwrd!】 (ページ43)

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『――……え』

　誰もが一呼吸を置いて、最初に食ってかかったのはアリサだった。

「いい度胸ね。まさかあたしの目の前で、堂々と勧誘に踏みきるなんて」

「下手にこそこそするより良心的だろ。サブマスを引き抜こうってんだから」

「うちの可愛いAを男所帯にやれるもんですか。というかそうよ、あんたらのとこはそもそも、女人禁制でしょ」

「そんな決まりを作った覚えはない。ここが女ばかりだから、ウチもそうなんだと周りが勝手に解釈しただけだ」

「ああ言えばこう言うわね。ホント憎たらしいわ」

　どこまでいっても、この二人に"友好"という二文字はないみたいだ。平行線を辿る言い合いに、Aはどう仲裁すべきか迷う。

「今日話を聞いただけでも、その才能は放っておくには惜しい。自分の元に引き入れたいと思って何がおかしい」

「……グルッペン、その辺にしとこうや」

　ロボロは、グルッペンの興味をひいてしまったという引けがあるのかやんわりと宥めた。
が、グルッペンはしばし考え込んだ後、改めてAに向き直る。

「では、最後にもう一度だけ聞こう。"我々だ！"に来ないか？」

　それが本気なのかどうか、グルッペンの意図は完全には読めない。
しかし茶化すような雰囲気でもなくて、Aは精神誠意、穏やかに応えた。
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