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『(……！ な、なに……！？)』
途端、ぞわりと肌を刺した言い知れぬ気迫に、思わず後ろに足を退く。
間髪入れず、竜王は人の姿へと変化した。その様を久し振りに見た気がするが、傷の目立つ痛々しい姿とは裏腹に、表情はひどく吊り上がっていて。
見たことのない顔だ。怖い、とすら思ってしまったそれは、紛れもなく彼の憤怒だった。
射殺さんばかりの鋭い視線が私を向いていないと気付いたとき、竜王はすでにショッピさんの胸倉を掴み上げていた。
「……ぐ」
『ショッピさん！ ちょっと、何やって――』
「なんで連れてきた……！」
『――え』
ぎり、と震えるくらいの力が入っているのが傍目にも分かる。
そんな竜王の気迫を真正面から迎えながらも、ショッピさんは表情を変えたりはしなかった。
「俺にも必要やし、アンタにも、必要やからですよ」
「お前、状況分かってんのか……？ こんな危険な場所、何かあったらどうする！？」
むしろ息を呑んだのは、横で見ている私だった。
彼のここまで切羽詰まったような顔を、"昔"から一度だって見たことがない。
「守りますよ」
「……はっ、守る？ 簡単に言うんじゃねぇ」
「別に、簡単に言うてるつもりはありませんが」
「……。死んでもか」
「……」
「死んでも守るって、言えんのか」
仲裁に入ろうとした口が、震えて役目を果たさない。
地を這う低い声に晒されて、ショッピさんは息を吐いた。そして、まるで世間話みたいに口を開く。
「心意気は。……まぁ、死ぬつもりは毛頭ないっすけど。じゃないとこの人、また泣くんで」
「――！」
竜王は、目を見開いた。ひとつ、そしてふたつ。ゆっくりと瞬きをして。
そして彼の胸倉から手を離す。解放されたショッピさんは、反動で二、三歩たたらを踏んだ。
「――《おい》」
『……！』
次に呼びかけられたのが私だと気付いて、びくりと身体が跳ねる。彼から感じられた怒りは、やや鳴りを潜めたようだった。
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クロエ(プロフ) - ありがとうございます！！！！！！ (10月8日 4時) (
レス) id: 3d0234bb1d (このIDを非表示/違反報告)
クロエ(プロフ) - どうしてこの話がまだまだ伸びないのか疑問すぎる！！なんだか分厚い辞典でこの小説欲しいくらいなんか好きです！！！！！！最初の出会いからこの話の終わりまでずっとニマニマしちゃって覚醒の時なんかボロボロ泣いちゃいました！！めっちゃいい話を書いてくれて (10月8日 4時) (レス) @page33 id: 3d0234bb1d (このIDを非表示/違反報告)
妖々梅雨里(プロフ) - 最初から、最後まで。主人公の感情にこちらも身を乗り出してしまうかと思うくらい入り込めました。最後にはつい感極まって泣いてしまいました。素晴らしい作品をありがとうございます!!! (2021年12月25日 23時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - とても素敵な物語でした…語彙が乏しいことにここまで後悔する日が来ようとは…!!1冊の小説を読んだ気分です。本当に本当に素敵な物語をありがとうございました！！ (2021年4月6日 23時) (レス) id: 31e2beb33a (このIDを非表示/違反報告)
つ旦(プロフ) - ここ最近で一番作品の世界にのめり込んでしまいました。距離感や環境に心温まり、ストーリーを読むにつれて心満たされていく感覚が最高でした。素敵な作品を書いてくださり本当にありがとうございます。 (2021年2月1日 17時) (レス) id: 4806c4a672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年6月25日 2時
