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『え？』
告げられたのは、考えようによっては皮肉とも受け取れる台詞だが、どうやら殿下はそんなつもりはないらしい。
ということはその言葉通り私は今、人間らしい表情というのをしているということで。
いや、逆に言えば、今までどんな表情をしていたんだ。
そうでしょうか、と素直に聞き返そうとしたところで、馬が駆ける音が聞こえてくる。
「ん……何か、あったかな」
気付いた殿下は、ほんの少し目をすぼめて真剣な色を見せた。
その目と言葉に何だか嫌な予感がして、両手を強く握る。やがて竜の間に現れた馬は、ひどく焦燥した兵を連れてきた。
「殿下っ！ た、大変であります！！」
「どうした」
「竜王が――！」
『……！』
兵の顔は、とてもじゃないが良い知らせを持ってきたようには思えない。
「りゅ、竜王に砲弾が直撃！ 非常に危険な状態です！！」
「なんだと――」
『……っ』
「――！ A嬢、待ちなさいっ！ 危険だ！！」
いくら殿下の命といえど、足を止めることは出来なかった。
久方ぶりに外の光を見た。
亀裂を抜けた先、目線を少し上げて見えた光景に、心臓が握られる。
輝いていなければいけない竜王が、最後に見たよりも傷を増やしてふらふらと飛んでいた。
かろうじて翼を動かし続けてはいるが、この上なく疲弊しているのが一目で分かって。
もうやめて。喉が震えて目が熱くなってきたのを嘲笑うかのように、竜王に向けて黒い塊が飛んでいく。
「あ、れは――網……！？」
砲弾に見えたそれはどうやら、相手方が準備していたらしい対竜用の鉄製の網らしかった。
避ける余裕もなかった竜王はそれに絡め捕らわれて、空中でもがく。
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クロエ(プロフ) - ありがとうございます！！！！！！ (10月8日 4時) (
レス) id: 3d0234bb1d (このIDを非表示/違反報告)
クロエ(プロフ) - どうしてこの話がまだまだ伸びないのか疑問すぎる！！なんだか分厚い辞典でこの小説欲しいくらいなんか好きです！！！！！！最初の出会いからこの話の終わりまでずっとニマニマしちゃって覚醒の時なんかボロボロ泣いちゃいました！！めっちゃいい話を書いてくれて (10月8日 4時) (レス) @page33 id: 3d0234bb1d (このIDを非表示/違反報告)
妖々梅雨里(プロフ) - 最初から、最後まで。主人公の感情にこちらも身を乗り出してしまうかと思うくらい入り込めました。最後にはつい感極まって泣いてしまいました。素晴らしい作品をありがとうございます!!! (2021年12月25日 23時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - とても素敵な物語でした…語彙が乏しいことにここまで後悔する日が来ようとは…!!1冊の小説を読んだ気分です。本当に本当に素敵な物語をありがとうございました！！ (2021年4月6日 23時) (レス) id: 31e2beb33a (このIDを非表示/違反報告)
つ旦(プロフ) - ここ最近で一番作品の世界にのめり込んでしまいました。距離感や環境に心温まり、ストーリーを読むにつれて心満たされていく感覚が最高でした。素敵な作品を書いてくださり本当にありがとうございます。 (2021年2月1日 17時) (レス) id: 4806c4a672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年6月25日 2時
