48#世界が変われど ページ16
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殿下や騎士らが、グルッペンさん達と地図を覗き込みつつあれこれ話しているのを見ていると、いよいよ勝ちが見えてきた感じがする。
私は戦の心得なんて全くもってないけれども、きっと彼らに任せていれば大丈夫なんだと、そう思えるのだ。
『……結局、私は何も出来ませんでした』
自分は村が大変なときに現れて、ただここに居ただけだ。
竜王の怪我を癒すことすら出来もせず、覚醒なんてもってのほか。まぁ、事態が収束するに越したことはないけれど。
「馬鹿っすね。あんたのおかげで頑張れてる男が、目の前にいるっていうのに」
大袈裟な溜め息混じりに、ショッピさんはそう言って励ましてくれる。
『……ふ、それなら良かったです』
これが終わったら、またあの平和な日常が戻ってくるだろうか。
――――……
――……
次の日。竜の間には殿下と、護衛として一人の若い騎士のみを残して、戦える人間は全員外へと出ていった。
「早ければ、今日で決着をつけるつもりだ」
私が不安そうな顔でもしていたのだろうか。殿下はこちらへと寄って来て、控えめな笑みを浮かべてそう言った。
『……殿下。本当に、何とお礼を言ったらいいか』
「なに、国を守る王族として当然のことさ。……この身をおして戦場に出てゆけないのが、もどかしいところだがね」
「殿下ッ！ 何を言いますか！」
「はは、冗談だよ」
悲鳴にも似た騎士の苦言を受けて、殿下はおどけて肩を竦めてみせる。
今まで、彼を必要以上に警戒しすぎていたようだと、心の中で謝罪をしておいた。
『殿下が、今ここにいらっしゃるということ自体が、私たちの支えになっておりますよ』
「……君は、この村にいると、随分人間らしい表情をするんだねぇ」
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クロエ(プロフ) - ありがとうございます！！！！！！ (10月8日 4時) (
レス) id: 3d0234bb1d (このIDを非表示/違反報告)
クロエ(プロフ) - どうしてこの話がまだまだ伸びないのか疑問すぎる！！なんだか分厚い辞典でこの小説欲しいくらいなんか好きです！！！！！！最初の出会いからこの話の終わりまでずっとニマニマしちゃって覚醒の時なんかボロボロ泣いちゃいました！！めっちゃいい話を書いてくれて (10月8日 4時) (レス) @page33 id: 3d0234bb1d (このIDを非表示/違反報告)
妖々梅雨里(プロフ) - 最初から、最後まで。主人公の感情にこちらも身を乗り出してしまうかと思うくらい入り込めました。最後にはつい感極まって泣いてしまいました。素晴らしい作品をありがとうございます!!! (2021年12月25日 23時) (レス) id: f5b2ce54f6 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - とても素敵な物語でした…語彙が乏しいことにここまで後悔する日が来ようとは…!!1冊の小説を読んだ気分です。本当に本当に素敵な物語をありがとうございました！！ (2021年4月6日 23時) (レス) id: 31e2beb33a (このIDを非表示/違反報告)
つ旦(プロフ) - ここ最近で一番作品の世界にのめり込んでしまいました。距離感や環境に心温まり、ストーリーを読むにつれて心満たされていく感覚が最高でした。素敵な作品を書いてくださり本当にありがとうございます。 (2021年2月1日 17時) (レス) id: 4806c4a672 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：江之子
| 作成日時：2020年6月25日 2時
