弐拾弐 ページ30
私が言い終えると、3人は必死に涙を堪えていた。_____いや、訂正するわ。須磨は凄く泣いてる。まきをも雛鶴も我慢してるのに。須磨らしいわね。
『須磨、少し落ち着きなさい。3人とも私の気持ちが少しでも届いたなら約束をちゃんと守ってね。』
「「「御意」」」
泣きながらもしっかり返事をしてくれたわ。よかった、これで少しは安心かしらね。
「遅くなりました。」
『あら天元。気にしてないから、顔をあげなさい。何かあったの?』
音もなく私の前に現れた天元。何かあったのか心配になるくらい静かで、何だか…
『変よ、天元。私はいつものド派手な方がいいわ。』
何だか微妙な顔をするから、とても気になるけれど何も言わないから今はそっとしておこうかしらね。
これから遊郭へ移動するのだけれど、天元にも約束を取り付けないと。3人には、須磨のお化粧直しに行ってもらったわ。
『さっき3人とも約束をしたのだけれど、貴方ともしないといけないわね。』
「約束?」
この話をした時の3人と全く同じ反応だわ。長く一緒にいるとやっぱり似るのかしら。
『3つあるわ。1つ須磨、まきを、雛鶴を守ること。2つ生きること。3つこれから幸せに過ごすこと。これだけよ。簡単でしょう?』
私はできる限り優しく微笑む。この3つの約束が簡単ではないことくらい分かってる。でも、それでも守ってもらわなくては困るのよ。
『ド派手に約束を守ってね。私も頑張るから。』
「御意」
真剣な顔をして頷いてくれたから、きっと守ってくれるわね。
「A様。俺たちは今回の任務が終わった後、けじめをつけようと思います。なので…その……」
なるほど、言いづらそうにしていたのはそれだったのね。気にしなくていいのに。
『貴方たちの人生よ。好きに生きなさい。自分で決めたことなら私もお館様も応援するわ。』
「ありがとうございます。」
天元まで。この4人は似ているわね。確信したわ。絶対に幸せになってもらわないと。
須磨のお化粧直しも全部終わって準備完了ね。天元もいつもの化粧を落としたわ。何だか違和感がある。
『それでは、行くわよ。』
「「「「はい。」」」」
私が行くのは、雛鶴と同じ京極屋。何とかして雛鶴が毒を飲むのを止める。ずっといるのは危ないから途中で京極屋を抜けさせる。本当は須磨とまきをも抜けさせてあげたいけれど、それは難しいかしらね。みんなを守るのが私の役目なのだからしっかりしないと。今度こそ父様に笑顔で報告に行きたいわ。
486人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むいむい - ラインのプロフィールのところに長女ちゃんの絵を使っても良いでしょうか (7月2日 13時) (レス) id: 0d0f0690eb (このIDを非表示/違反報告)
メア様推しの人 - どうしたらそんなに絵が上手くなるんですか? (6月4日 23時) (レス) @page16 id: b2dbf5b4a0 (このIDを非表示/違反報告)
れーー - 絵うますぎ (2020年10月28日 22時) (レス) id: 69c853c22b (このIDを非表示/違反報告)
ほ - 16歳だったら、御館様と歳近すぎません?(( (2020年8月23日 18時) (レス) id: 0579cbeafd (このIDを非表示/違反報告)
くるみっこ - (あんぐり)えっ絵上手すぎ‥手の書き方神やん (2020年5月23日 6時) (レス) id: 65e7743a54 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜簪 | 作成日時:2019年11月27日 22時