弐拾壱 ページ29
とりあえず天元と約束した藤屋敷に来たけれど、まだ来ていないのかしら。いつもなら私より先に来ているぐらいなのに珍しいわね。
「A様ー!!」
この声と気配は、
『久しぶりね、須磨。元気だったかしら。』
天元の美人嫁3人の中の1人、須磨。ちなみに元気だったかしら、のかしらって言うあたりで突進してきたから何とか耐えたわよ。私が耐えきれなくて須磨が怪我でもしたら大変だもの。
「今すぐA様から離れな!!」
『あらあらいいのよ。久しぶりにあったのだもの、このぐらい大丈夫。ありがとうね、まきを。』
言葉は少しキツイけれど、ちゃんとその中に優しさがあるわ。とてもあたたかい人なのよね。
「お久しぶりです。A様。ひどい怪我を負ったと聞いたのですが大丈夫なのですか?」
『えぇ、もう大丈夫よ。心配ありがとう、雛鶴。』
姉のような感じのする雛鶴。話していると何だか安心してしまうのよ。
軽く挨拶を済ませてから、私たちは準備を始める。花魁の衣装は派手なのよね。まぁ、隊服に比べて、だけれど。天元は少し遅れて来るらしいから、それまでに支度を終わらせないと。
コンコン__「A様、準備は終わりましたか?」
『終わっているわ。入って。』
あら、やっぱり流石美人ね。
『3人ともとても綺麗ね。同じ女だけれど惚れ惚れしてしまうわ。とっても素敵よ。』
天元が1番大切にするのが分かるわ。そんな彼女達に伝えておかないとね。
『須磨、まきを、雛鶴。きっと天元から言われていると思うけれど私からも言っておくわね。これから私たちが潜入するのは遊郭で、それにもしかしたら上弦の鬼がいるかもしれないの。本来なら貴女たちをそんな所へ行かせたくない。でもそうする訳にはいかないから約束をして欲しいの。』
「約束……ですか?」
『そうよ。約束は2つ。1つは自分の命を最優先に動くこと。』
3人とも困惑してる。それはそうよね。でもそうしてくれないと困るわ。
「で、でもそれでは、意味がないのでは……」
『貴女たちに任された任務の内容はあくまで情報収集よ。それ以外は私の仕事。だから、もし危険な目にあったら、真っ先に自分を守りなさい。それさえしてくれれば私も動きやすいから。もう1つは必ず生きてこれからの人生を幸せに過ごすこと。何だか、今回の任務嫌な予感がするのよ。ちゃんと生きて幸せになりなさい。貴女たちにはもう、それが許されているのだから。何も負い目に思う必要はないのよ。』
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むいむい - ラインのプロフィールのところに長女ちゃんの絵を使っても良いでしょうか (7月2日 13時) (レス) id: 0d0f0690eb (このIDを非表示/違反報告)
メア様推しの人 - どうしたらそんなに絵が上手くなるんですか? (6月4日 23時) (レス) @page16 id: b2dbf5b4a0 (このIDを非表示/違反報告)
れーー - 絵うますぎ (2020年10月28日 22時) (レス) id: 69c853c22b (このIDを非表示/違反報告)
ほ - 16歳だったら、御館様と歳近すぎません?(( (2020年8月23日 18時) (レス) id: 0579cbeafd (このIDを非表示/違反報告)
くるみっこ - (あんぐり)えっ絵上手すぎ‥手の書き方神やん (2020年5月23日 6時) (レス) id: 65e7743a54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜簪 | 作成日時:2019年11月27日 22時