産屋敷家長女の物語

拾肆 ページ22

『こんばんは、夢の鬼さん。』

いた。よかった、きっと原作通りに進んでいる。

「あれ？もう起きちゃったの？幸せな夢だったはずなんだけどなぁ。別に、残酷な夢にしてあげてもよかったんだよ。」

『ふざけないで。』

確かに幸せだった。ずっとあのままでいたいと思った。

『私は自分であの夢のような世界にする。夢ではなくて、現実で幸せを感じるわ!!』

それが今私が生きている理由。私がいなくなったら、原作を知る人がいなくなる。そんなことさせない。

「Aさん!!」

炭治郎。無事に起きたのね。よかった。


魘夢は列車と融合してしまったので、炭治郎と伊之助は頸を斬りに、私は乗客の救助に向かった。
流石に気持ち悪いわね。漫画でも思ったけれど。

『虹の呼吸 陸ノ型 水平環』

人を傷つけないように鬼のみを斬る。後方は杏寿郎たちが守ってくれているから大丈夫。

____っ、列車が浮いた。炭治郎と伊之助が頸を斬ったのね。少しでも衝撃を抑えないと危ないわ。

『虹の呼吸 伍ノ型 霧虹』

ふぅ、とりあえず外に出ないと。勝負はここから。ここで負ける訳にはいかないわ。

あら、今は杏寿郎が炭治郎に止血を教えているところかしら。上手くいったみたいね。

『炭治郎、杏寿郎お疲れ様。ゆっくり休んでね。』

「A様!!いやはや情けない!!すっかり寝過ごしてしまった!!申し訳ない!!」

『いいのよ。杏寿郎が起きてからすぐ動いていてくれたのは、分かっているわ。』


_______来るっ!!

『虹の呼吸 壱ノ型 円形虹』
「炎の呼吸 弐ノ型 昇り炎天」

猗窩座。油断は出来ない。

『何故手負いのものを狙うのかしら。』

「俺とお前たちの話の邪魔になるからだが。お前たち名前はなんという。」

何を言われても動揺してはいけない。大丈夫。守れる。大丈夫、大丈夫。

「俺は炎柱煉獄杏寿郎だ。俺はもう君が嫌いだ!!話すことなどない!!」

『虹柱のAよ。私たちと貴方では考え方が異なるの。私も話すことなどないわ。』

産屋敷とは名乗れない。何があるか分からないから。絶対に杏寿郎は死なせない。そのために私がいる。

「杏寿郎、A鬼にならないか。」

「断る!!」
『ならないわ。』

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呼吸説明

壱ノ型 円形虹
虹の呼吸の中で最も速い。下から円を描くように斬りつける

伍ノ型 霧虹
三連撃で全部頸狙いだが使い方によって、腕や足なども落としたりすることも出来る

陸ノ型 水平環
流れるように斬撃を与える。広範囲に攻撃可能。宇髄天元曰く1番派手

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