二度目のデート−２ ページ6
＜Yuzuru Sude＞
「な、なんで？」
「高校生のとき、結弦がリンクに連れて来ていたでしょう？ 一緒に連れて帰って欲しい子がいるって、そのときの子、たしか綾瀬さんだったわよね？」
「…………………」
たった一度きり、それも十年以上も前のことなのに。
俺の記憶力の良さは母さん譲りか。
「綾瀬って、あやせ産婦人科小児科クリニックの？」
「……どうして、姉ちゃんが彼女のこと、知ってんだよ？」
「図書館へよく行くもの。カウンターで対応してくれるときに名札を見て、綾瀬先生のところの娘さんなのかなって思っていたのよ」
そういえば、姉ちゃんは本の虫だったわ。
くそー、地元ってなんて狭いコミュニティなんだ。
「姉ちゃん、産婦人科も小児科も縁なくね？」
「婦人科検診でもう何年も通ってる。それに先生も看護師さんも優しいし、設備もホテル並みに素敵だから、妊娠したらお世話になりたいなーって」
「妊娠って、相手いんの？ ―――痛ってぇ！」
テーブルの下で、姉ちゃんに思いきり脛を蹴られた。
そんな狂暴だから、彼氏できねーんだよ。と言ったら、どんな目に遭わされるかわかったもんじゃないから、心の中だけで毒づく。
「そっかー、あの子なんだー」
「友達だってば」
変に勘繰らないで欲しい。
「あ、だから、急に同窓会に参加するとか言い出したんだ。おかしいと思ったわ」
「綺麗なお嬢さんだものね」
「……俺、帰る」
二人から猛攻を受けた俺は、飲みかけのコーヒーもそのままに席を立つ。
「今度、彼女を紹介してよ」
「彼女じゃない。まだ、―――」
「へー、まだ、ね」
失言に気づいて、慌てて口を噤んだけど、遅かった。
もう、やだ。
家族と恋愛の話とか、羞恥の極みだ。
テーブルの上から車のキーをひっつかんで、足早にリビングから出る俺の後ろで―――二人のこらえきれない笑い声が聞こえた。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» 鹿さん、コメントありがとうございます。しばらくじれったい状態を続ける予定です(笑) 罪悪感と妄想の狭間で悩みますが、結局妄想には勝てない。心の中で羽生さんに謝りながら書いています(^_^;) (2022年1月12日 22時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ちなみに、罪悪感は、私の場合三日くらい経ったら消えます(笑)最初はすごくあったけど、結局妄想は止まらない感じ…。申訳ないですよね、ほんと。 (2022年1月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - くっつきそうでくっつかない(笑)じれったい二人をまだまだ見ていたいです＾＾毎日楽しみにしています！ぜひぜひ羽生さんに幸せをあげてください！ (2022年1月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2021年12月18日 20時
