ただ、好きなだけ−１ ページ33
結弦今週の土曜日、午後からドライブ行かない?
お昼休憩、ロッカーに置いていたスマホの画面に表示されていたメッセージ通知。
目にした途端、仕事の疲れも吹っ飛んでしまう。
Aうん、行きたい。夜は練習?
最近、結弦くんとは毎週末会っている。
ドライブか結弦くんの家で過ごすか、そのどちらかだけど、午後から会って、私が作った夜ご飯を食べてからスケートの練習に行くのが恒例になりつつあった。
「―――綾瀬さん、嬉しそうね。彼氏から？」
声をかけられて顔を上げると、休憩室で一緒になった年配のスタッフさんが私を見ている。
自然と、口元が緩んでいたらしい。
「いえ、違います」
「あら、そうなの。最近、テンション高いから、てっきり彼氏ができたのかと思ったわ」
うわぁ、恥ずかしい……。
浮かれすぎているのは自覚していたけど、傍目から見てもわかるほどだったとは。
日に何回かメッセージくれるし、三日に一回は電話もかかってくる。
結弦くんがこんなにマメな人だとは知らなかった。
電話越しに声を聞くたび、会って笑顔を見るたび、どんどん結弦くんに惹かれていく。
結弦くんは、私の気持ちにとっくに気づいているはず。
だけど、初めて結弦くんの家に行った日以来、結弦くんが私に触れてくることも、踏み込んでくることもない。
―――それは、結弦くんの優しさ。
私の中にある迷いや不安を結弦くんはわかっていて、私の気持ちを尊重してくれているんだと思う。
「え、綾瀬さんって彼氏いないんですか？ あたし、いつか迎えに来ていた銀行マンが綾瀬さんの彼氏だと思っていました」
私とスタッフさんの話に入ってきたのは、この春から司書になった後輩の青木さん。
「ううん、彼は友達だから」
「かっこいいのに、もったいない。フリーなら、あたしに紹介してくださいよー」
「そうだね……」
若い子らしい積極的な台詞に、私は曖昧に笑う。
蒼とはたまにメッセージのやり取りをしているけど、しばらく会っていなかった。
もう一度、ちゃんと話をしなくちゃ。
私は、蒼の気持ちには応えることはできないって。
はっきりとした返事をせずに引き延ばすのは、私にとっても蒼にとってもよくない。
わかっていながら、なかなか行動に移せないのは、私にとって蒼がそれだけ大切な人だから。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» 鹿さん、コメントありがとうございます。しばらくじれったい状態を続ける予定です(笑) 罪悪感と妄想の狭間で悩みますが、結局妄想には勝てない。心の中で羽生さんに謝りながら書いています(^_^;) (2022年1月12日 22時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ちなみに、罪悪感は、私の場合三日くらい経ったら消えます(笑)最初はすごくあったけど、結局妄想は止まらない感じ…。申訳ないですよね、ほんと。 (2022年1月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - くっつきそうでくっつかない(笑)じれったい二人をまだまだ見ていたいです＾＾毎日楽しみにしています！ぜひぜひ羽生さんに幸せをあげてください！ (2022年1月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2021年12月18日 20時
