終わらない恋−４ ページ28
結弦くんの部屋は、白とグレーで統一されたシンプルな空間で、清潔感のある甘い香りがした。
ソファの上にプーさんのぬいぐるみが置いてあるのが微笑ましいけど。
結弦くんのプライベートな空間に足を踏み入れていると思うだけで、緊張して吐きそう……。
二人でいることにだいぶ慣れてきたはずだったのに、この前の父親と結弦くんの会話のせいで意識せずにはいられない。
父親からは深く追求されることなかったけど、当然のように話は母親にも伝わっていて。今日家を出るときも、意味ありげな視線と「お泊りになるなら、連絡だけはしてね」というとんでもない台詞に見送られた。
お泊りとか、ないから！
品行方正な結弦くんに失礼すぎる。
「できた？ 運ぶの手伝うよ」
「ありがとう」
盛りつけの終わったお料理から結弦くんはダイニングテーブルに運んでくれる。
お箸やグラスを二人分並べている結弦くんは、楽しそう。亭主関白気質かと思っていたから、少し意外。
「めっちゃ美味しそう」
メインの餃子は定番のものと、カレー粉で味付けたもの、鶏ひき肉に梅と大葉を混ぜてさっぱり味にしたもの。
あとは、なすとトマトのバジルのマリネ、いわしのつみれ汁、という献立。
餃子やいわしのつみれは前日に下ごしらえしてタッパに詰めて持ってきたから、それほど時間はかからなかった。
「「いただきます」」
背筋をスッと伸ばして、お箸を使う所作も美しくて……結弦くんは、なにをしていても絵になる人。
どうして、私を誘ってくれるんだろう。
結弦くんならどんな女の子だって選び放題なのに……。
私と結弦くんの間には、高校時代の思い出しか共通点がない。
―――もしかして、結弦くんは過去に私と付き合わなかったことを申し訳ないって思ってる？ 私への罪滅ぼしのつもりとか……？
真面目で誠実な人だもの、ありえない話じゃないよね。
「ん、どうした？」
ぼんやりしていたら、結弦くんが首を傾げて私を見ていた。
「ぼーっとしてたら、俺が全部食べちゃうよ」
なんて、少食の結弦くんらしからぬことを言う。
「ダイエットじゃねーよな。A、痩せてるし」
「……高校のときよりは太ったよ」
二十代前半まではたくさん食べても太ることなかったのに、やっぱり新陳代謝が落ちているだろうなー。
相変わらず、脂肪分ゼロの結弦くんがうらやましい。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» 鹿さん、コメントありがとうございます。しばらくじれったい状態を続ける予定です(笑) 罪悪感と妄想の狭間で悩みますが、結局妄想には勝てない。心の中で羽生さんに謝りながら書いています(^_^;) (2022年1月12日 22時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - ちなみに、罪悪感は、私の場合三日くらい経ったら消えます(笑)最初はすごくあったけど、結局妄想は止まらない感じ…。申訳ないですよね、ほんと。 (2022年1月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - くっつきそうでくっつかない(笑)じれったい二人をまだまだ見ていたいです＾＾毎日楽しみにしています！ぜひぜひ羽生さんに幸せをあげてください！ (2022年1月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2021年12月18日 20時
