＊ ページ45
もっと、深く。
大好きな子の俺しか触れることを許されていない最奥の部分に達したとき、頭の中に火花が散って、俺たちは同時に達した。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ブラインドから差し込む夏の日差しがAの白い肌を照らしている。
いつの間にか、雨は止んでいたらしい。
俺はベッドに肘をついて腕を伸ばし、コードを引っ張ってブラインドを調節すると、腕の中で微睡んでいるAを見つめた。
「―――幸せ、すぎて……」
ベッドでのAの言葉に胸が苦しいほど締めつけられる。
Aは、俺と一緒にいるこの時間が幸せと言った。
恋人同士なら一緒に過ごすのは当たり前のこと。
でも、俺たちにとってはそうじゃない。
そばにいるだけで感極まって泣いちゃうほど―――俺は、Aに寂しい思いをさせてるんだ。
お互いの誕生日を祝ったこともないし、クリスマスにプレゼントを交換することもない。
映画を観に行ったり、買い物したり、テーマパークで遊んだり、そんな普通のデートもない。
俺はフィギュアスケートのために自分で選んだ道だけど……Aは、違う。
違う奴と付き合っていれば―――
また、突発性難聴になったりしたら―――
ここまで考えて、不毛だと俺は目をつぶった。
そうだとしても……俺は、Aが大好きで。
Aを手放すとか無理だから。
「……ごめんな」
艶のある柔らかな髪を指で梳きながら呟くのは、辛い思いをさせているとわかっていて、Aを縛りつけていることへの謝罪。
「いいよ、謝らないで」
「……A、起きてたの？」
てっきり寝ているものだと思っていた。
「うとうとしていただけ」
Aは俺の頬に指先で触れると、
「幸せだって言ったでしょ？」
クスっと笑う。
「そうだけど……。つか、俺がいなくても寂しくない？」
それはそれで、複雑だ。
「寂しくないわけじゃないけど……大丈夫。ゆづくんの動画を毎日観ているし、会えなくても電話もメッセージもくれる。……それにね、」
伏せていた瞳を上げて、Aはまっすぐ俺と目を合わせる。
「他の人じゃダメなの。一年に一回しか会えなくても、ゆづくんがいい。一緒にいて幸せになれるのは、私にとってはゆづくんだけ」
Aから与えられる言葉は、俺の不安を優しく包んで、安心感と愛しさに変えていく。
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エミル(プロフ) - #Loveさん» #Loveさん、いつもコメントありがとうございます。羽生さん好きに貢献できて嬉しい〜(^o^)本当に励みになります！ちょこちょこ更新ですが、頑張ります！！ (2022年2月23日 16時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
#Love(プロフ) - またコメント失礼します。エミルさんのお話が好きすぎて毎日更新の通知が来ているか確認するくらいです笑 エミルさんが書く羽生くんがありありと想像できて、羽生くん好きに拍車がかかっています。これからも無理せず頑張ってください！！ (2022年2月23日 12時) (レス) @page16 id: bf26d2c99f (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ゆきさん» ゆきさん、ご指摘ありがとうございます。名前、修正しました。 (2022年2月10日 17時) (レス) @page46 id: a72ef995e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 名前の変更ができていない所がありますので、お手隙の際に訂正をお願い致します。 (2022年2月10日 16時) (レス) @page47 id: 7b86ca7caf (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 璃子さん、短編も読んでくださり、ありがとうございます！元気に明るい「気」、そうですよね。羽生さんも頑張っていると思って、私も前向きに生活します。 (2021年11月7日 20時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2021年9月11日 20時
