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朝も昼もほとんどご飯を食べれなかったせいか、甘い飲み物が欲しくなった私は、休憩時間になると自販機を探した。
確か、廊下の突き当りを曲がったところにあったはず。
男女別に並んでいる控室を通り過ぎて、少し薄暗くなっている角を曲がると―――
自販機の前に、羽生さんがいた。
気配に気づいた羽生さんがこちらに顔を向ける。
一瞬、回れ右しそうになるけど、それではあからさまに避けているようで、私はなんとか踏みとどまった。
といっても、この先は行き止まりで自販機しかないから、しょうがなく羽生さんの斜め後ろに立つ。
「……なに飲むの？」
「はい？」
話しかけられると思っていなかった私は、慌てて聞き返す。
「飲むもの、買いにきたんだろ」
「……あ、はい。えっと、ミルクティを……」
羽生さんの指先が自販機のボタンを押し、カードをかざすピッという音がした。ガコンと転がり落ちてきたボトルを取り出し口から手にすると、振り返って私に差し出してきた。
手にしてるのは、ミルクティのペットボトル。
……しまった。スマートな羽生さんが私のぶんも購入するのは想像つくのに。
「あの、お金払います」
「いいよ、そんなの」
「……でも……」
「いらないなら、捨てたら？ 俺、ミルクティ飲まないし」
と、羽生さんは私にボトルを強引に渡し、自分の飲みものを買うために自販機のほうを向く。
ダメだな、私……。
せっかく羽生さんが好意で買ってくれたのに、また機嫌を悪くさせてしまった。
買ってもらっておいて、先にこの場を立ち去ることもできずに、私は少し下がって壁に寄りかかる。甘いはずのミルクティは、味がしなかった。
「ペア、昌磨とするの？」
ペットボトルの蓋を開けながら、羽生さんが聞いてくる。
「さっき、昌磨と話していたから、そうかなと思ったんだけど」
「え、いえ……」
「そう」
会話が続かない、気まずい。逃げ出したい。
どうして、羽生さんは私に話しかけてくれるんだろう？
言葉どおり、あの夜は羽生さんの中でなかったことになっていて、出演者の一人として接してくれてるの？
「羽生さんはペア出るんですよね。彼女、すごく美人だし、羽生さんと本当にお似合いって感じ。楽しみにしてます」
沈黙に耐えられなくなった私は、無理やり笑顔を作る。
羽生さんがなにもなかったように振舞うなら、私もそうしなきゃって。
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エミル(プロフ) - #Loveさん» #Loveさん、いつもコメントありがとうございます。羽生さん好きに貢献できて嬉しい〜(^o^)本当に励みになります！ちょこちょこ更新ですが、頑張ります！！ (2022年2月23日 16時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
#Love(プロフ) - またコメント失礼します。エミルさんのお話が好きすぎて毎日更新の通知が来ているか確認するくらいです笑 エミルさんが書く羽生くんがありありと想像できて、羽生くん好きに拍車がかかっています。これからも無理せず頑張ってください！！ (2022年2月23日 12時) (レス) @page16 id: bf26d2c99f (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ゆきさん» ゆきさん、ご指摘ありがとうございます。名前、修正しました。 (2022年2月10日 17時) (レス) @page46 id: a72ef995e1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 名前の変更ができていない所がありますので、お手隙の際に訂正をお願い致します。 (2022年2月10日 16時) (レス) @page47 id: 7b86ca7caf (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 璃子さん、短編も読んでくださり、ありがとうございます！元気に明るい「気」、そうですよね。羽生さんも頑張っていると思って、私も前向きに生活します。 (2021年11月7日 20時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2021年9月11日 20時
