メンタルの強さー１ ページ36
＜Yuzuru Side＞
「あーつーいー」
単独のアイスショーに続き、毎年出演しているファンタジーも終わり、束の間のオフを過ごす６月末の昼下がり。
ソファを占領したAがゴロゴロしながら、暑い、暑いと連呼している。
今朝のニュースで真夏並みの気温だとやっていたもんな。
「ねえ、エアコンの温度下げていい？」
「体を冷やしたくないから、嫌だ」
床に座っていた俺は、読んでいたスケート雑誌から目を上げて答える。
「じゃあ、扇風機は？」
「扇風機の風に当たると、ダルくなるから使ってない」
「えー」
しばらくソファに顔を埋めていたAだったけど、やおら起き上って、
「……帰るわ」
と、言った。
「自分の部屋で涼んでくる」
ソファから腰を浮かそうとしているAを見て、俺は慌てた。
「わかった、エアコン下げてやるから」
「いいよ。ここはゆづの家だし、アスリートの体調が最優先。それに、無理して一緒にいる必要もないでしょ」
パタパタと手で顔を扇ぎつつ、Aはそう言い放った。
「……、………」
容赦なく、刺してくるな。こいつ……。
Aと友達になって、もうすぐ１年になる。
その間、ケンカらしいこともあったけど、お互いに理解し合う努力をしてきたし、確実に距離は縮まったと思う。
Aは俺に対する遠慮がなくなり、自分の考えや思いを素直に口にしてくれるようになった。
“無理して一緒にいる必要もない”
―――つまり、この言葉も紛れもないAの本音。
一緒にいたいと思っているのは、俺だけ。俺ばっかり、Aを好きで。Aは俺を友達以上には思ってくれない。
はぁ、悔しい。
奥歯をギリギリ噛みしめて、俺はエアコンのリモコンを手にすると、温度を下げた。
「無理しなくていいのに……」
「していない。俺もちょうど暑いなと思ってたの！」
なに、強がってんだろう。
ガキみたい。
こんなとき、「好きだから、一緒にいたい」と言えたら、どんなに楽か。
自分の気持ちを偽るのは、正直しんどい。
片思いにもメンタルの強さが求められるとは。
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エミル(プロフ) - ころねさん» キュンキュンしてもらえて、嬉しいです♡ すっかり可愛い羽生さんになってしまいましたが、しばらくこの状態が続きます(笑) (2022年11月28日 22時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - うわ〜キュンキュンします♡赤面する羽生さん、かわいすぎる(^^)でももどかしい！ (2022年11月28日 22時) (レス) @page37 id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 二人の距離が縮まればいいなーと思いつつ、書いていますが……まだしばらく友達の予定(笑) (2022年11月18日 22時) (レス) @page27 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
璃子(プロフ) - わぁぁ…ここで待て！ですか！！どうなっちゃうの？気になる〜〜 (2022年11月17日 22時) (レス) @page27 id: 9bf38dcb2c (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 璃子さん、ありがとうございます。ライビュは大きな画面で羽生さんを観ることができるのがいいですよね。ドアップになるたび、変な声が出そうになるけど(^_^;) 可愛い羽生さんは、書いていて楽しいです。しばらく恋に翻弄されてもらう予定(笑) (2022年11月1日 22時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年10月25日 21時
