欲しい答えー１ ページ38
「―――はぁ、……つっかれたー」
バッグを床に放り投げ、ソファにダイブする。
９月の終わりから１０月にかけて２度の台風上陸があったせいで、火災保険の対応に追われたここ数週間。
朝から晩までお客様からの電話は鳴りやまず、声はガラガラ。休憩する時間もない忙しさで。文字どおり忙殺された。
ようやく迎えた金曜日の夜。
仕事が落ち着いたわけではないけれど、土日ゆっくり休めると思うと、解放感でいっぱいだ。
あー、眠い。
ソファに横たわるとすぐに襲ってくる睡魔。
でも、せめてシャワーは浴びてから休みたい……。
うつら、うつらしていると、
―――ガタ、ドン……！
隣りの部屋から壁になにかが当たったような音がして、目を開けた。
ゆづ、帰ってきたんだ。
海外のアイスショーに出演するために９月の頭から日本を離れているゆづとは、誕生日以来会っていなかった。
ショーの様子はテレビニュースでも取り上げられてたし、彼のYouTubeチャンネルにはたくさんの国の言葉でメッセージが寄せられていて。
他に類を見ない人気ぶりにとんでもない人と友達になっちゃったと何度も思った。テレビの中のゆづはキラキラと眩しい光を纏う世界的なスーパースター。
実際の彼は―――風邪もひくし、たまに言葉遣いも乱暴になったり、甘えたになったり……。ごく普通の男性なんだけど、自分の中でそのギャップに戸惑う。
ぼんやりと音がした壁のほうを眺めていたら、バッグの中から着信音が聞こえてきた。
あ、ゆづからだ。
「もしもし？」
『A？ 今、家にいる？』
「うん、どうしたの？」
久しぶりに耳にするゆづの声に懐かしさを覚える。
たった一ヶ月半なのに。
お土産を持って行くというゆづからの電話を切って、乱れた髪を手ぐしで直していると、チャイムが鳴った。
「悪ぃな、遅くに」
ドアを開けると、清潔な香りとともに、ゆづが顔を覗かせた。
「ううん、ちょうどいま帰ってきたところだから」
「こんな時間まで仕事？」
「まあね。ゆづは今日帰って来たの？」
「日本には３日前に帰国したけど、東京で仕事してた。はい、お土産」
紙袋の中には、メープルの形をした瓶に入ったシロップと海外のお菓子。
「ありがとう」
きっと海外でも忙しい日々を送っていたはずなのに、お土産を買ってきてくれるゆづの気遣いが嬉しい。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» いつも楽しみにしてくださり、ありがとうございます！私もこの先どう恋愛にもっていこうか、思案中です(笑)恋愛に目覚めた羽生さんがどうなるか考えるのも楽しみ。 (2022年9月19日 10時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 冷めてますね〜＾＾こんな羽生さんがどうやって人を好きになるのかすっごく楽しみです！どんな痛い目にあうんだろ…ドキドキ！ (2022年9月19日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» きっと、お料理している姿もめちゃカッコいいはず！半分こしたいという妄想(笑) (2022年9月16日 22時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - 羽生くんが作ったオムライス…なんて素敵なパワーワード！ (2022年9月15日 23時) (レス) @page29 id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 璃子さん、そう痛い目にあう羽生さんを書きたい！楽しみにしていてください（←自分でハードル上げる･･･汗） (2022年9月14日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年8月23日 20時
