ケーキとワインー５ ページ32
＜Yuzuru Side＞
「えー、めちゃかわいい！」
食後に購入しておいたケーキを箱から取り出すと、Aが歓声を上げた。
俺が選んだのは、イチゴクリームをリボンに見立てた、フルーツたっぷりのケーキ。
よかった、喜んでもらえて。
「ろうそくは、２８歳だから８本ね」
リボンに触れないよう、ろうそくを８本立てる。
「はい、じゃあ、消して。願い事しろよ」
「うん」
照明を落とすと、ろうそくの炎がゆらゆら揺れて、Aを照らす。
「すげー、神妙な顔」
「願い事を考えてるの！」
からかったら、強めの口調で返される。
ふふ、真剣だなー。
願い事が決まったのか、Aはケーキの前に身を乗り出し、ふーっとろうそくの火を吹き消した。
「あらためて、お誕生日おめでとう」
「うん、ありがとう」
どんな願い事をしたんだろう。
ちょっと気になるけど、その願い事が叶えばいいなと俺も願った。Aのために。
「あ、そうだ。A、ワイン飲む？」
「ワイン？」
「うん、もらったやつがあったはず……」
俺はキッチンへ行くと、パントリーの奥を探る。
「あった、これ」
「この白ワイン、めちゃ高いのだ……」
Aにボトルを手渡すと、ラベルを見て目を丸くした。
「そうなの？」
「３万円はするよ」
「へー、せっかくだから飲んでよ」
え、もったいなくて飲めない！ と、Aが首を振る。
「俺、アルコールダメだから飲めねーんだよ。だから、飲んでもらえると、ありがたい」
たしか海外のショーに出演したときにスポンサーのお偉いさんからいただいたんだよな。お酒飲めないって言いづらい雰囲気だったから、もらって帰ったものの、ずっとパントリーで眠ってた。
「じゃあ……。お言葉に甘えて」
「でも、あれがないや。ワイン開けるやつ。あとワイングラスも」
「ワインオープナー？ 家にあるよ」
サッと席を立ったAが「持って来るね」と、部屋を出て行った。
隣だと便利だわ。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» いつも楽しみにしてくださり、ありがとうございます！私もこの先どう恋愛にもっていこうか、思案中です(笑)恋愛に目覚めた羽生さんがどうなるか考えるのも楽しみ。 (2022年9月19日 10時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 冷めてますね〜＾＾こんな羽生さんがどうやって人を好きになるのかすっごく楽しみです！どんな痛い目にあうんだろ…ドキドキ！ (2022年9月19日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» きっと、お料理している姿もめちゃカッコいいはず！半分こしたいという妄想(笑) (2022年9月16日 22時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - 羽生くんが作ったオムライス…なんて素敵なパワーワード！ (2022年9月15日 23時) (レス) @page29 id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 璃子さん、そう痛い目にあう羽生さんを書きたい！楽しみにしていてください（←自分でハードル上げる･･･汗） (2022年9月14日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年8月23日 20時
