ケーキとワインー４ ページ31
「ゆづを好きになるには、まずスケートを好きになるのが条件ってことね」
「あー、俺のことは好きじゃなくていいや」
「……はい？」
「俺のスケートは好きでいてもらいたいけど、俺に対する恋愛感情はいらない。むしろ、邪魔」
「……邪魔……」
当たり前の話をするようにゆづは言うけど、私は二の句が継げない。
「パートナーとして、家族として、大切にはするよ。生活に不自由もさせない。奥さんにやりたいことがあるなら、協力もする。ただ、俺がスケートを一番に考えるのを邪魔しないで欲しいし、異性としての愛情を求められるのは困る」
「……えっと……。ゆづの興味の対象は異性ではないと……？」
「違うわ」
「じゃあ、なんでそんな捻くれた考え方になるの！？」
いくらスケート中心だからって、理解の範疇を超えている。
「もしかして、あまりにモテすぎて恋愛に飽きたとか？」
「飽きるもなにも、スケートが忙しくてそんな暇ない。恋愛経験なんてゼロに等しいし」
ゼロに等しいって……。真顔で言われても、にわかに信じ難い。
「あ、……だから、お見合い？」
「そう、条件ありきでしょ」
「ということは、その、お見合い相手の方にも今の話をしてるの……？」
「うん、理解してもらってる」
脳裏に、あのお見合い写真が思い浮かんだ。
館花さん、綺麗な人なのに、いいのか？
いや、本人同士が納得しているなら、他人が口を挟むことじゃないけど。
「だけど……。スケートができれば満足なんでしょ。結婚しなくてよくない？」
「子どもは欲しい。人間として自然の摂理」
うーん、これは……。
聞きようによっては、サイテーな男の言い草だけど。
ゆづの口から出ると真っ当な気がしてくるのは、その涼やかな顔立ちのせい？
つくづく思ったのは、ゆづはやっぱり常人とは違うってこと。
もっとも、彼ほどのスーパースターを一般常識の枠でとらえようとすること自体が誤っているのかも。
「で、Aはどうなの？ どんな結婚がしたい？」
「私？」
子どもの頃は、白馬に乗った王子様とか、アイドルみたいな素敵な人との結婚を憧れていた。
だけど、今は―――
「普通に恋をして、大切に想い合える人と結婚したい。たぶん、喧嘩もするし、悩むこともあるだろうけど、二人で穏やかな家庭を築けたらいいかな」
平凡が一番自分に合うと思う。
平凡だけど、平穏な生活。夢を見るより、地に足をつけた人生。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» いつも楽しみにしてくださり、ありがとうございます！私もこの先どう恋愛にもっていこうか、思案中です(笑)恋愛に目覚めた羽生さんがどうなるか考えるのも楽しみ。 (2022年9月19日 10時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 冷めてますね〜＾＾こんな羽生さんがどうやって人を好きになるのかすっごく楽しみです！どんな痛い目にあうんだろ…ドキドキ！ (2022年9月19日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» きっと、お料理している姿もめちゃカッコいいはず！半分こしたいという妄想(笑) (2022年9月16日 22時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - 羽生くんが作ったオムライス…なんて素敵なパワーワード！ (2022年9月15日 23時) (レス) @page29 id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 璃子さん、そう痛い目にあう羽生さんを書きたい！楽しみにしていてください（←自分でハードル上げる･･･汗） (2022年9月14日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年8月23日 20時
