リクエストー４ ページ4
よりによって、羽生さんに間抜けな寝顔を見られるとは、一生の不覚。
羽生さんも内心では人が練習している横でぐーすか寝るとか無神経！ と、呆れているに違いないわ。
ここからは真面目に、真剣に、見学しよう。
羽生さんの練習を独り占めできる贅沢は私の人生で二度とないんだから。
私は、よし！ と、気合を入れてベンチから立ち上がった。
リンクに入った羽生さんは、ここでも歌詞を口ずさみながら、スイスイと滑っている。
いいなぁ、気持ちよさそう。
羽生さんだから簡単そうに見えるけど、私がやったら……まず、立てないだろうな。
ときどき、天を仰いだり、指先をクルクル回したり、軽く一回転してみたり。ふとした拍子にふっと笑む羽生さんの表情に釘付けになる。
まるで天使みたい……。
と、急にスピードを上げた羽生さんは、ヒュッと風をきって舞い上がった。
―――え、今の３回転？ ４回転？
早すぎて、目で追えない。
ただ、ふわっと浮かんだのに着氷したときの音はすごくて、相当な衝撃なんだろうなって想像がつく。
テレビで観るよりずっと高く、ずっと迫力がある。
なぜ、ウォーミングアップにあんなに時間をかける必要があるのか、その理由がわかる気がした。
３０分位経過しただろうか、羽生さんはスーッとリンクサイドに戻ってくると、ジャージを脱ぎ始めた。下に着ているのは、体にぴったりとした黒の練習着で。
う、わぁ……！
なに、あのくびれ。
上腕や胸には程よく筋肉があってガッチリしているのに、腰が細い！
顔小さいし、手足長いし、お尻はキュッと丸いし。
羽生さんのスタイルの良さは周知のとおりだけど、生で見るとおそろしいほど二次元みがある。
しかも、そこはかとなく色っぽいとはどういうこと！？
なんだか直視できない。
男の人の、それも裸体でもないのに、見てはいけないモノを見ている気分になるなんて。どうかしてる……。
「ねー、香椎さん。……香椎さーん」
え、私？ 練習中に声をかけられると思っていなかった私は、反応が遅れる。
「あ、はい」
「ボーっとして。目を開けて寝てんの？」
羽生さんは、おかしそうに肩をすくめて笑う。
「なにかやって欲しいプロ、ある？」
「へ？」
「せっかくだから、香椎さんのリクエストにこたえるよ」
羽生さんからの思いがけない言葉に、私の思考は停止した。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» いつも楽しみにしてくださり、ありがとうございます！私もこの先どう恋愛にもっていこうか、思案中です(笑)恋愛に目覚めた羽生さんがどうなるか考えるのも楽しみ。 (2022年9月19日 10時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 冷めてますね〜＾＾こんな羽生さんがどうやって人を好きになるのかすっごく楽しみです！どんな痛い目にあうんだろ…ドキドキ！ (2022年9月19日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» きっと、お料理している姿もめちゃカッコいいはず！半分こしたいという妄想(笑) (2022年9月16日 22時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - 羽生くんが作ったオムライス…なんて素敵なパワーワード！ (2022年9月15日 23時) (レス) @page29 id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 璃子さん、そう痛い目にあう羽生さんを書きたい！楽しみにしていてください（←自分でハードル上げる･･･汗） (2022年9月14日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年8月23日 20時
