おやすみなさいー７ ページ24
＜Yuzuru Side＞
シャワーを浴びて戻ると、Aが切り分けた桃が乗ったお皿とプリンをテーブルに並べていた。
「ごめん、勝手にお皿出しちゃった」
「あー、いいよ」
タオルを首にかけたまま、椅子に座る。
「ゆづ、どっち食べる？」
こっちはカスタードプリン、こっちは塩キャラメルプリンと、Aが説明してくれる。
……うーん、どっちもおいしそう。
「半分こしよ」
両方を手にして見比べながら、Aに提案すると。頬杖をついたAが俺をじーっと見てきた。
「ゆづは、いちいち仕草が可愛いね」
「まあね」
「認めちゃうんだ」
だって、言われ慣れている。ただ、中身は違うから。
プリンはどちらもおいしかった。
やっぱり一緒に食べてよかったと思う。独り占めするのはもったいない。
「桃はご実家からもらったんだよね。近くなの？」
「うん、車で３０分ぐらい」
桃にフォークを入れると、独特のみずみずしく甘い香りが部屋に漂う。
「兄弟は？」
「兄が二人。上の兄が結婚を機に同居することになったから、私は家を出たの。このマンションは、海外に住んでいる叔母の持ち物」
高年収の人が多く住むこのマンションで、普通の会社員のAが同棲をやめても一人で暮らししているのが不思議だったけど、そういうわけか。
「俺は姉ちゃんがいる」
「いいなぁ。私、お姉ちゃんが欲しかった」
「俺は兄ちゃんがよかったよ」
ま、ないものねだりだよな。
「ごちそうさま。プリンも桃もおいしかった」
久々に甘いもの食べたわ。
おかげで起きたときより、気分もよくなった。
すっかりお世話になったし、なんかお礼したいよな。……あ、今、超いい案を思いついた。
「A、今日のお礼にさ、誕生日お祝いさせてよ」
「え、お礼なんていいよ、そんなの」
「いや、よくない。俺の気が済まねー」
「でも……。ゆづ、忙しいでしょう？」
「今は大きな仕事は入っていないし、平気」
それでも、Aは首を縦に振らない。
「誕生日、予定あった？」
「ううん」
「じゃあ、決まり。俺、昼間は用事があるから、夜空けておいて」
ここは、決定事項として告げてやる。
「……ゆづって、意外と強引だよね。でも、ありがとう」
いや、お礼するの俺のほうだし。
誕生日、どんなお祝いしよっかな。
お祝いされるばっかりだったから、誰かのためにあれこれ考えるのも新鮮で楽しいと思えた。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» いつも楽しみにしてくださり、ありがとうございます！私もこの先どう恋愛にもっていこうか、思案中です(笑)恋愛に目覚めた羽生さんがどうなるか考えるのも楽しみ。 (2022年9月19日 10時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 冷めてますね〜＾＾こんな羽生さんがどうやって人を好きになるのかすっごく楽しみです！どんな痛い目にあうんだろ…ドキドキ！ (2022年9月19日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» きっと、お料理している姿もめちゃカッコいいはず！半分こしたいという妄想(笑) (2022年9月16日 22時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - 羽生くんが作ったオムライス…なんて素敵なパワーワード！ (2022年9月15日 23時) (レス) @page29 id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 璃子さん、そう痛い目にあう羽生さんを書きたい！楽しみにしていてください（←自分でハードル上げる･･･汗） (2022年9月14日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年8月23日 20時
