おやすみなさいー６ ページ23
＜Yuzuru Side＞
目を覚ますと、いくぶん頭がスッキリしていた。
喉の痛みはまだあるけど、薬が効いたのか、熱は下がっているっぽい。
寝汗かいちゃったから、シャワー浴びたいな。
俺は、肘をついてベッドから上半身を起こし、足をゆっくり床に下ろした。
水を飲むためにキッチンへ行くと、割ったコップは綺麗に片付けられていて、脱ぎっぱなしにしていたスーツもハンガーにかけられている。
そして、レースのカーテンからこぼれる月明かりの下で、ソファに横になって眠るAの姿。
「……ん、……あ、ゆづ」
気配に気づいたAがむくっと起き上がる。
「体調、大丈夫？」
「うん、なんとか」
「よかったー。顔は蒼白だし、震えてるし、どうしようかと思った」
「心配かけて、ごめん。おかげで助かった」
「私はなにもしていないけど」
でも、そばにいてくれたし、俺が寝た後も帰らずここにいてくれた。
「あー、もうこんな時間」
０時前を指す時計を見て、Aは立ち上がると、うーんと両手を組んで伸びをする。
「私、帰るね」
「え……。そうだ、プリン一緒に食べようよ。２コあったよね」
「あれはゆづのために買ったものだから」
帰ると聞いた俺は、無性に寂しく感じて。
「おいしそうなプリンだったじゃん。せっかくだから、Aにも食べて欲しい。一人より二人で食べたほうが楽しいし」
子どもが駄々をこねるように、Aを引き留めてしまう。
なんだろ、まだ心が弱ってんのか。
「じゃあ、私もいただこうかな」
「そうしよ。あ、でも、先にシャワー浴びていい？ 汗かいて気持ち悪いから」
「どうぞ。桃も食べる？」
「うん」
自分の部屋に桃を取りに帰るAを見送ってから、俺は脱衣室へ行く。
鏡に映る自分は、少し蒼白い。
昨日から食欲なかったせいで、頬がこけていた。
汗で湿ったシャツを脱ぎながら、ふと頭が冷静になっていく。考えてしまうのは、今の状況。
真夜中に恋人でもない女性を部屋に招いているとか、これまでの俺ならありえない。
いや、元カノの莉緒だってマンションには呼んでいないのに。
友達とはいえ、警戒心薄すぎじゃねーか。
だけど、いつまでも警戒していては、本当の友達になれない。
難しいな。女友達はそれなりにいるけど、フィギュアスケーターばかりだからスケートを離れて会うことなんかないし。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» いつも楽しみにしてくださり、ありがとうございます！私もこの先どう恋愛にもっていこうか、思案中です(笑)恋愛に目覚めた羽生さんがどうなるか考えるのも楽しみ。 (2022年9月19日 10時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 冷めてますね〜＾＾こんな羽生さんがどうやって人を好きになるのかすっごく楽しみです！どんな痛い目にあうんだろ…ドキドキ！ (2022年9月19日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» きっと、お料理している姿もめちゃカッコいいはず！半分こしたいという妄想(笑) (2022年9月16日 22時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - 羽生くんが作ったオムライス…なんて素敵なパワーワード！ (2022年9月15日 23時) (レス) @page29 id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 璃子さん、そう痛い目にあう羽生さんを書きたい！楽しみにしていてください（←自分でハードル上げる･･･汗） (2022年9月14日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年8月23日 20時
