おやすみなさいー３ ページ20
＜Yuzuru Side＞
昨日、冷房かけっ放しの中、ソファでうたた寝したのがマズかった。
起きたとき、体の怠さは自覚していたのに、無理して練習に行って。今日、仕事を終える頃には喉の痛みと悪寒が襲ってきた。
東京へ行くマネージャーとは事務所で別れて、タクシーで行きつけの病院へ行く。
診断は、夏風邪。
タイミング悪いことに、両親は旅行で不在だし、ツイてない。
マンションに着いたときは意識朦朧でフラフラ。スーツのままソファに倒れ込んだところで、Aから電話がかかってきた。
プリンとイチゴを買ってきてくれるというAを待ちながら、なんとか部屋着に着替える。手に力が入らなくて落としてしまったコップの破片が気になるけど、片付ける気力はなかった。
さっきから背筋がぞくぞくして、節々が痛い。
チェストの引き出しから体温計を取り出して測り、３８度５分という文字に絶望する。
これ、まだ上がりそうだな。
あー、やらかしたわ。
結局、部屋に来たAに看病してもらうハメになってしまった。
寒がる俺に毛布と布団をかけると、Aの「帰るね」という声が頭上から聞こえて。薬も飲んだし、あとは眠るしかないのに、急に心細くなる。
「―――だめ、帰らないでよ……」
熱っぽい息で吐きだした言葉に、Aの顔を見なくても息を呑むのがわかった。
「あ、えっと、ゆづ……？」
体調が悪いと、誰かに頼りたくなる。
つい、口走ってしまったけど、Aが戸惑うのも当然で。冗談だと誤魔化したいのに、熱にうかされた頭がうまく働かない。
「うん、わかった。ここにいるね」
だけど、Aは床に膝をつくと、俺と目線を合わせた。
「ありがと……」
「うん」
見守られていることに安心した俺は、目を閉じる。
薬が効いてきたのか、次第に意識が薄れてきて。自分の髪を梳いてくれる手つきに、導かれるように眠りにつく。
そして―――
「……おやすみなさい」
まるで小さい子に語りかける、甘く優しい声音が降ってきた。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» いつも楽しみにしてくださり、ありがとうございます！私もこの先どう恋愛にもっていこうか、思案中です(笑)恋愛に目覚めた羽生さんがどうなるか考えるのも楽しみ。 (2022年9月19日 10時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 冷めてますね〜＾＾こんな羽生さんがどうやって人を好きになるのかすっごく楽しみです！どんな痛い目にあうんだろ…ドキドキ！ (2022年9月19日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» きっと、お料理している姿もめちゃカッコいいはず！半分こしたいという妄想(笑) (2022年9月16日 22時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - 羽生くんが作ったオムライス…なんて素敵なパワーワード！ (2022年9月15日 23時) (レス) @page29 id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 璃子さん、そう痛い目にあう羽生さんを書きたい！楽しみにしていてください（←自分でハードル上げる･･･汗） (2022年9月14日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年8月23日 20時
