おやすみなさいー１ ページ18
A実家から桃をたくさんもらったので、食べませんか?
ゆづにメッセージを送って２時間、既読はつかない。
外出しているのかな？
それとも、夜中の練習に備えて寝てる？
と、思っていたら―――隣りの部屋のドアが閉まる音がかすかに聞こえた。
ちょうどいいわ。
メッセージに気づいていないかもしれないし、電話しちゃえ。
『―――もしもし……』
あれ、声に張りがない。
「あ、Aです」
『ん、……どうしたの？』
「メッセージ送ったんだけど、実家から桃をもらったの。好きだったら、おすそ分けしようかなと思って。今、持って行っていい？」
『ああ……、ごめん。メッセージ、見てなくて……。―――ゴホッ、ゴホ……』
電話の向こうから聞こえてきたのは、苦しそうに咳き込む声。
「もしかして、風邪？」
『うん』
「病院は？」
『さっき仕事帰りに寄って薬もらってきた』
話すのもしんどそう。桃はまた今度にしよ。
ゆっくり休んでね、と言おうとした矢先。ガタ、パリン！ とガラスが割れる派手な音がした。
「大丈夫！？」
『……ん、体に力が入らんくて……。でも、ゴホッ……、平気……』
いや、平気じゃないよね……。
「お母様に来てもらえないの？」
『両親は昨日から旅行に行ってる』
「マネージャーの山田さんは？」
『仕事の打ち合わせで……ケホ、ゴホッ……東京だから』
……どうしよう……。
お薬もらっているみたいだし、私にできることはないけど……。
「なにか欲しいものとかある？ よければ、買って持って行くけど」
一応、聞いてみると、
『……イチゴと……プリン』
なんとも可愛らしい答えが返ってきた。
その後、近隣のスーパーを３軒ハシゴしたものの、イチゴはゲットできず……。
シーズンじゃないもんなぁ。
私は、自分では絶対買わないお高めのプリンを２つ、あと水分と冷えピタを購入して、マンションに戻った。
ゆづの部屋のチャイムを押すと、かなり待たされてから、ドアが開く。
「……わりぃな」
ドアにもたれて、気怠そうな表情のゆづが顔を覗かせた。げっそりして、髪が乱れている。
「イチゴはなかったの、ごめんね」
「いや、助かる。ちょうど冷えピタ切らしていたし」
「もしなにか必要なものがあればメッセージちょうだいね。……じゃあ、お大事に」
と、帰ろうとして、廊下の向こうにあるキッチンの床に割れたガラスの破片が散らばっているのが見えた。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» いつも楽しみにしてくださり、ありがとうございます！私もこの先どう恋愛にもっていこうか、思案中です(笑)恋愛に目覚めた羽生さんがどうなるか考えるのも楽しみ。 (2022年9月19日 10時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - 冷めてますね〜＾＾こんな羽生さんがどうやって人を好きになるのかすっごく楽しみです！どんな痛い目にあうんだろ…ドキドキ！ (2022年9月19日 7時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» きっと、お料理している姿もめちゃカッコいいはず！半分こしたいという妄想(笑) (2022年9月16日 22時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - 羽生くんが作ったオムライス…なんて素敵なパワーワード！ (2022年9月15日 23時) (レス) @page29 id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 璃子さん、そう痛い目にあう羽生さんを書きたい！楽しみにしていてください（←自分でハードル上げる･･･汗） (2022年9月14日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年8月23日 20時
