一緒にいてよ−６ ページ6
「―――ま、待って」
咄嗟に、結弦くんの腕にしがみつく。
「……うん、なに？」
上げかけた腰を下ろして、結弦くんは私の髪をそっと撫でた。
その優しい手つきに、臆病な心が少し勇気づけられる。
「結弦くんに触れられるの、嫌なわけじゃない。その、私も……結弦くんに、触れたい」
私だって、結弦くんを独り占めしたい。もっと、深く結びつきたい。
「でも、心の準備が必要っていうか……。結弦くんに引かれちゃうかもしれないんだけど―――私、まだ経験したことなくって……だから……」
羞恥で顔に熱が集まる。
結弦くんから反応がなくて、ちらっと見上げると……結弦くんはポカンとした表情をしていた。
あ、やっぱり……ドン引きだよね……。
「えっと、結弦くんが嫌だったら……」
「待って」
「う、うん」
「経験ないって、あいつと付き合っていたじゃん」
「……そういう関係にはなってない」
「だったら、……あのキスマークは何なんだよ？」
「……前にも言ったけど……蒼は、私が結弦くんをまだ好きだって勘づいていたから……」
「あの夜も途中でやめたってこと？」
私がうなずくと、結弦くんはしばらく呆然とした後―――
「あ―――、もう……っ」
いきなり頭を抱えて、ベッドに突っ伏した。
「え、……ゆ、結弦くん？」
よくわかんないけど、ベッドの上でうぶせになって足をバタバタさせている結弦くん。
「どうしたの……？」
唸っている結弦くんの肩に手を触れる。
「……だって……」
腕の上に顔を伏せた結弦くんのくぐもった声が聞こえてくる。
「あいつ、Aの気持ちをすごく尊重してたってことじゃん」
「……………」
「Aを一番に大切にするのは、俺でいたいのに。なんか負けた気がする……」
……そういう思考回路になるんだ。
これって、勝ち負けをつけることなんだろうか……？
「俺、がっついてて格好わりー」
めずらしく後ろ向きな発言に、思わずクスっと笑ってしまう。
「なに、笑ってんの？ どうせ、Aもあいつと比べて、俺を底の浅い男だって思ってんだろ」
「まさか」
結弦くんほど、底が深い人いないよ。
「あーあ」
むくっと起き上がった結弦くんは、ガシガシと後ろ頭をかくと、
「格好悪いついでに、言ってもいい？」
ふっと息を吐き、私を見た。
「なあに？」
「俺も美百合にキスマークつけたい」
「はい？」
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エミル(プロフ) - 鹿さん» アレは……好き勝手書いておきながらですが、恥ずかしくて読み返せません(笑)とりあえず、羽生さんに土下座します。鹿さんの作品も大好きなので、ずっと書いて欲しいです！ (2022年4月30日 20時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - アレなシーンお疲れさまです！もう、悶えました（笑）リアルすぎて！もう、もう、人様の作品は読んでて楽しいです＾＾永遠に書いててほしいです！ (2022年4月30日 10時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» ラブラブ、喜んでもらえてよかったです(^^♪ 私もこの場面を書くのに久々にニースロミオを鑑賞しました♡ (2022年4月22日 22時) (レス) @page20 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - ラブラブ楽しいです！癒やされます。永遠に続いて欲しいくらいです(♡‿♡)そしてニースロミオを見たくなりました！ (2022年4月21日 23時) (レス) id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 勢いで書いてしまいました(笑)しばらくはラブラブです♡ (2022年4月20日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年3月26日 21時
