他校の君−４ ページ39
＜Yuzuru Side＞
「前に羽生くんに会ったとき、Aには高校の頃から一途に想っている人がいたって話をしたでしょ」
「うん」
「え、そんな話をしたの？」
ナイフとフォークでお肉を切り分けていたAの手が止まる。
「ごめん、話の流れで……」
「もー、私のいないところで、ひどい」
思い返してみれば、中学時代の俺とAに接点はほぼなくて。高校のときに仲良くなったけど、それを中島さんは知らなかったわけだから、あの場で急にAの話題を振ってきたのは不自然な気もする。
「もしかしてさ、中島さんは俺とAの関係に気づいてた？」
「え、ううん、まさか。あのときまでは全然想像もしていなかったよ。ちょうどAをうちのブライダルフェアに誘った後だったから、Aの話をしちゃったんだよね。本当に偶然」
「ふーん。……A、ブライダルフェアに行ったんだ？」
びくっとAの体が揺れる。
誰と？ とは、問わないけど……。
ブライダルフェアってカップルで行くものだろ。姉ちゃんも義兄さんと参加していた。
あんなの結婚を前提にした恋人同士じゃなきゃ、行かねーじゃん。
「私がね、無理言ってAを誘ったの！ 参加人数が足りなくてねー、サクラよ、サクラ」
だから、怒らないでーと、中島さんがあっけらかんと笑う。
べつに、怒ってねーし。
「話を戻すけど、あのときの羽生くんを見て、Aの他校の君は羽生くんだったのかなって初めて思った」
「……どして？」
「だって、急に顔色が変わったもん」
「そうだっけ？」
「今にも煙になって空に消えてしまいそうだった」
「……………」
あながち、その喩えは間違ってない。
Aにフラれて傷心のところに、蒼との交際が順調だと聞かされ、さらにAが自分をずっと想ってくれていたと知った。
苦しくて、切なくて、自分がどうにかなってしまいそうだった。
それも全部Aのせい……。
「……結弦くん、怖いから睨まないで」
「睨まれる心当たりがあんの？」
「えっとー、ワインおかわりしようかなぁ」
俺の視線を避けて、Aはワインリストを開く。
「あ、そういうことね」
俺とAのやり取りを見比べていた中島さんが、なにかにひらめいたように言う。
「羽生くんが同窓会に来たのもAに会うためだったんだ。違う？」
「そうだよ」
「そんなわけないでしょ」
俺とAの声が重なった。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» アレは……好き勝手書いておきながらですが、恥ずかしくて読み返せません(笑)とりあえず、羽生さんに土下座します。鹿さんの作品も大好きなので、ずっと書いて欲しいです！ (2022年4月30日 20時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - アレなシーンお疲れさまです！もう、悶えました（笑）リアルすぎて！もう、もう、人様の作品は読んでて楽しいです＾＾永遠に書いててほしいです！ (2022年4月30日 10時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» ラブラブ、喜んでもらえてよかったです(^^♪ 私もこの場面を書くのに久々にニースロミオを鑑賞しました♡ (2022年4月22日 22時) (レス) @page20 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - ラブラブ楽しいです！癒やされます。永遠に続いて欲しいくらいです(♡‿♡)そしてニースロミオを見たくなりました！ (2022年4月21日 23時) (レス) id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 勢いで書いてしまいました(笑)しばらくはラブラブです♡ (2022年4月20日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年3月26日 21時
