緊張の無駄使い−７ ページ32
帰る前に私の部屋を見たいと言われて、結弦くんを二階へ案内する。
今朝、掃除をしておいてよかったー。
安堵のため息をつきながら、結弦くんを部屋に招き入れたのだけど―――
「さっきのあれ、なに？」
ドアを閉めた瞬間、結弦くんの地を這うような低い声が飛んできた。
「さっきの？」
真後ろに立っていた結弦くんを見上げると……眉がつり上がっていた。
あれ、怒らせるようことしたっけ？
「俺との結婚なんか、ありえないって言った」
「……あ」
リビングでの航希と結弦くんのやり取りに、思わず口を挟んでしまったこと。
「あれは、だって、航希が調子に乗るから。まだ、何も決まっていないし」
「だからって、ありえないとか、全否定じゃん」
「……それは……」
否定したかったわけじゃない。
家族の前だったから、気恥ずかしさもあって……。
「逆の立場だったら、Aは平気なの？」
ストンとベッドに腰かけた結弦くんが私をじろっと睨む。
これは、本気で怒っている顔だ。
「俺の姉ちゃんがAを妹にしたいって言って、俺がありえないと返しても、なんとも思わない？」
……それは、悲しいかも。
ううん、確実に、ショックを受ける。
「ごめんなさい。結弦くんの言うとおり、私が悪かったです」
素直に、謝る。
言い訳なんてもってのほかだ。
「まあ、いいけど」
足を組んだ結弦くんは、ふいっと私から視線をそらす。
その態度からまだ怒りは解けていないとわかって、軽はずみな言葉を使った自分が情けなくなる。
結弦くんは、両親と真摯に向き合ってくれて、誠実な対応をしてくれたのに……私は、その結弦くんの気持ちを蔑ろにしてしまったんだ。
気まずい空気にどうしたらいいかわからず、結弦くんの横顔を眺めていたら―――
ふいに結弦くんがなにかに気づいたように立ち上がり……少しだけ開いていたウォークインクローゼットの扉に手をかけた。
「―――あ、待って！」
そこにあるものを見られたくて、慌てて結弦くんを制止しようとしたけど。
「……これ……」
あー、遅かった……。
ウォークインクローゼットの棚に収められているのは、結弦くんの本やスケートの雑誌、グッズたち。天井から下までびっしり、詰まっている。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» アレは……好き勝手書いておきながらですが、恥ずかしくて読み返せません(笑)とりあえず、羽生さんに土下座します。鹿さんの作品も大好きなので、ずっと書いて欲しいです！ (2022年4月30日 20時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - アレなシーンお疲れさまです！もう、悶えました（笑）リアルすぎて！もう、もう、人様の作品は読んでて楽しいです＾＾永遠に書いててほしいです！ (2022年4月30日 10時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» ラブラブ、喜んでもらえてよかったです(^^♪ 私もこの場面を書くのに久々にニースロミオを鑑賞しました♡ (2022年4月22日 22時) (レス) @page20 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - ラブラブ楽しいです！癒やされます。永遠に続いて欲しいくらいです(♡‿♡)そしてニースロミオを見たくなりました！ (2022年4月21日 23時) (レス) id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 勢いで書いてしまいました(笑)しばらくはラブラブです♡ (2022年4月20日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年3月26日 21時
