緊張の無駄使い−６ ページ31
＜Yuzuru Side＞
ご両親と同じ医師を目指して、医学部に進んだ航希くん。
勉強は大変だろうけど、大学生活を満喫している様子が伝わってきて、ほんの少しうらやましくなる。
俺は、通信制だったし、仲間と遊んだり、飲みに行ったりという経験はない。
大勢でわいわい騒ぐのは嫌いじゃないけど。
金メダリストになり、人気が出るにつれて、周りから距離を置かれるようになった。
離れていく人を繋ぎ止めようとは思わない。
自分は、自分。
群れることで他人の影響を受けて、スケートが疎かになるのは嫌だし。
それでもふとした拍子に周囲との温度差や距離感に戸惑い、寂しさを感じることはあるわけで。どれだけ大勢の人に囲まれても、孤独は常にあった。
「……結弦くん、どうしたの？」
物思いに耽っていたら、Aが横から顔を覗き込んでくる。
でも、今は……Aがいる。
「んーん、なんでもない」
俺の孤独を癒してくれて、これからの人生を共に生きて行く人。
二時間ほどお邪魔して、キリのいいところで失礼することにする。
「羽生さん、今度は一緒にゲームしようよ」
「うん、勝負しよっか」
航希くんとも仲良くなれたし、ご両親からもいつでも遊びにおいでと温かい言葉をかけてもらう。
今日の挨拶は成功だな。
「嬉しいなー、俺、兄ちゃん欲しかったんだよな。羽生さんがお義兄さんだなんて、贅沢すぎる」
「……お義兄さん……」
「もう、航希。失礼なこと言わないでよ」
俺だって弟が欲しかったから、お義兄さん呼びに萌えていると、間髪入れずにAが言う。
「失礼ってさー、でも、いずれは結婚するんでしょ？」
航希くんが不思議そうな顔でAに返す。
さすが十代、若さゆえに空気読んでねー。
少し離れた場所にいるご両親は素知らぬふりをしているけど、会話の成り行きに関心を持っているのがわかった。
さて、どう返事しよう。
ここは、将来を匂わせつつ、もう一度真剣な交際だということをアピールして……。
と、思案していたら、先にAがピシャリと撥ねつけた。
「ありえないし、そんなの」
「……、………」
「………………」
一瞬で、場が静まり、微妙な空気が漂う。
お母さんがAに何か言いたげに口を開いたけど、言わずに口を閉じる。
航希くんはマズイという表情で、俺とAの顔を見比べた。
……そんなの？ ありえない？
ずいぶんな言い草じゃねーか。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» アレは……好き勝手書いておきながらですが、恥ずかしくて読み返せません(笑)とりあえず、羽生さんに土下座します。鹿さんの作品も大好きなので、ずっと書いて欲しいです！ (2022年4月30日 20時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - アレなシーンお疲れさまです！もう、悶えました（笑）リアルすぎて！もう、もう、人様の作品は読んでて楽しいです＾＾永遠に書いててほしいです！ (2022年4月30日 10時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» ラブラブ、喜んでもらえてよかったです(^^♪ 私もこの場面を書くのに久々にニースロミオを鑑賞しました♡ (2022年4月22日 22時) (レス) @page20 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - ラブラブ楽しいです！癒やされます。永遠に続いて欲しいくらいです(♡‿♡)そしてニースロミオを見たくなりました！ (2022年4月21日 23時) (レス) id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 勢いで書いてしまいました(笑)しばらくはラブラブです♡ (2022年4月20日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年3月26日 21時
