一緒にいてよ−４ ページ4
＜Yuzuru Side＞
薄暗い部屋に、リップ音と甘い吐息だけが響く。
誰に教わってなくても、自然とお互いの舌を舐め合い、夢中になって唇を重ねる。
神聖な行為に思えるのは、好きな子とだから。
これ以上ないぐらいの幸せ。
それなのに―――ふと、脳裏に浮かぶのは……さっき会ったばかりのAの元彼。
あいつとはキス以上の行為をしていたんだ。
ただの過去だと割り切れない。
キスに没頭したいのに、嫉妬と独占欲が邪魔をする。
俺はAの許可も得ずに、ワンピースのジッパーに手をかけた。
「……え、ちょっと、待って……」
Aは俺の動きを制止してきたけど、力で俺に勝てるわけない。
キスを激しくして、Aが必死に応えようとしているうちに、ジッパーを下ろして中に着ている薄手のニットをまさぐる。
触れた素肌は、すべすべで柔らかい。
「ゆ、結弦くん……っ！？」
そのままニットの中の手を背中にまわすと、Aが体をよじって逃げようとする。
俺は、キスをさせまいと顔を背けたAの首筋に吸いつき、舌を這わせた。
自分の重みでAの動きを封じて、なんとか辿りついた下着のホックに手をかけるとパチンと外す。
一旦、上半身を起こした俺は、自分のシャツを乱暴に脱ぎ捨てた。
「……A……。すごく、好き」
白いシーツに散らばった黒髪に指を絡めて、口づける。
「脱がすよ？」
「ええっ！？」
「そんな驚くこと？」
はだけたワンピースを体から引き抜こうとすると、Aは胸の前で腕をクロスして抵抗してくる。
「もう、じっとしてろよ」
なんか無理やりしてるみたいじゃん。
そういう趣味はないのに。
「……結弦くん、あの、……」
「いいから、黙って」
普段なら、こんな強引なのしない。
でも、今の俺は、Aの気持ちを尊重する余裕がないほど、焦っていた。
少なからず、蒼に会ったことが影響していて。
体をつなげないと、Aのすべてが自分のものになったと自信が持てなくて、不安だった。
二度と、誰にも渡したくない。
「ね、ねえ、待って。今日はやめよ？」
「なに言ってんの？」
やっと想いが通じ合って、支障もなくなって、これ以上俺が待つ理由がどこにあるんだよ。
ベッドの上で後ずさりするAに、俺は四つ這いでにじり寄った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 531人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エミル(プロフ) - 鹿さん» アレは……好き勝手書いておきながらですが、恥ずかしくて読み返せません(笑)とりあえず、羽生さんに土下座します。鹿さんの作品も大好きなので、ずっと書いて欲しいです！ (2022年4月30日 20時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - アレなシーンお疲れさまです！もう、悶えました（笑）リアルすぎて！もう、もう、人様の作品は読んでて楽しいです＾＾永遠に書いててほしいです！ (2022年4月30日 10時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» ラブラブ、喜んでもらえてよかったです(^^♪ 私もこの場面を書くのに久々にニースロミオを鑑賞しました♡ (2022年4月22日 22時) (レス) @page20 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - ラブラブ楽しいです！癒やされます。永遠に続いて欲しいくらいです(♡‿♡)そしてニースロミオを見たくなりました！ (2022年4月21日 23時) (レス) id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 勢いで書いてしまいました(笑)しばらくはラブラブです♡ (2022年4月20日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エミル | 作成日時：2022年3月26日 21時
