緊張の無駄使い−４ ページ29
＜Yuzuru Side＞
木のぬくもりを感じさせるリビングは、大きな窓からたっぷり光が差し込み、落ち着いた色合いの家具が居心地のいい空間を作り出していた。
Aが高校生の頃にこの家に引っ越したんだっけ。
彼女が育った家、日常を過ごすスペースに足を踏み入れているんだと思うと、気持ちが高まる。
「どうぞ気楽にしてくつろいでね」
「はい、ありがとうございます」
Aのお母さんとは初対面だ。
小児科医らしい、穏やかで柔和な印象。
「妹の光希も会いたがっていたけど、仕事の都合がつかなくて」
「東京で就職されたんですよね？」
「ええ、そうなの。弟の航希はサークルに行っているけど、終わり次第飛んで帰ってくると思うわ。羽生くんが来ると知って、朝からそわそわしていたから」
ふふ、あの可愛い弟か。
想像がつく。
ソファに座ると、花が匂いつ立つような香りの紅茶が目の前に置かれた。
うちに来たとき、たまにAが淹れてくれるやつ。
そっか、お母さんの好みなんだ。
他愛ない発見だけど、Aのことならすべて知りたい俺にとっては嬉しい。
「お父さん、お母さん」
「「はい」」
膝に両拳を置いて背筋を伸ばすと、ご両親も改まった顔になる。
「Aさんからお聞きになっていると思いますが、今、Aさんとお付き合いさせていただいています。今日はそのご挨拶をと思い、お時間をいただきました。本来ならもっと早く来るべきでしたのに、申し訳ありません」
「いや、羽生さんこそお忙しい身だろうに、すまないね」
「本当に。こちらの都合で遅くなったのだから、気にしないでくださいね」
お二人とも優しく笑っていて、少し安堵する。
「あの、では……Aさんとの交際を認めていただけますか？」
順番は逆になっちゃったけど。
「もちろん、羽生さんとの交際を反対する親などいないよ、なあ」
「ええ」
「そう言っていただけるとありがたいのですが、僕は少し特殊な立場にあるので、Aさんに窮屈な思いをさせることもありますし」
親なら娘に普通の幸せを望むのではないか。
そして、それは―――今の自分ではどうやっても叶えてあげられないこと。
反対されたからとて手を引くつもりはないけれど、できれば賛成してもらいたい。
すると、ご両親はお互いの顔を見合わせて、うなずく。
「Aはね、ずっと羽生くんを好きだったんです」
「ちょっと、お母さん！」
「あら、本当のことでしょ」
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エミル(プロフ) - 鹿さん» アレは……好き勝手書いておきながらですが、恥ずかしくて読み返せません(笑)とりあえず、羽生さんに土下座します。鹿さんの作品も大好きなので、ずっと書いて欲しいです！ (2022年4月30日 20時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - アレなシーンお疲れさまです！もう、悶えました（笑）リアルすぎて！もう、もう、人様の作品は読んでて楽しいです＾＾永遠に書いててほしいです！ (2022年4月30日 10時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» ラブラブ、喜んでもらえてよかったです(^^♪ 私もこの場面を書くのに久々にニースロミオを鑑賞しました♡ (2022年4月22日 22時) (レス) @page20 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - ラブラブ楽しいです！癒やされます。永遠に続いて欲しいくらいです(♡‿♡)そしてニースロミオを見たくなりました！ (2022年4月21日 23時) (レス) id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 勢いで書いてしまいました(笑)しばらくはラブラブです♡ (2022年4月20日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年3月26日 21時
