甘い痛み−５ ページ23
＜Yuzuru Side＞
「……だって……」
でも、次にAから放たれた言葉で、俺は心臓を撃ち抜かれる。
「結弦くんに見せるのに、少しでも綺麗な体でいたかったから」
つまり、俺のため？
俺に綺麗に見られたくてってこと？
うわー、めちゃくちゃ健気、可愛すぎるだろ。
「ご、ごめんね。なんか逆にカサカサになっちゃって―――わっ」
「いい、そんなの。すげー、嬉しい」
Aを力任せに抱きしめた俺は、昂ぶる気持ちのまま……Aの唇を奪った。
走り出した気持ちを止めることはできなかった。
深く口づけて、Aの熱を絡めとる。
懸命に俺に応えようとする仕草と鼻から抜ける甘い声がたまらない。
すっぽりと胸に収まる華奢な体とか、白い首筋とか、サラサラで柔らかい髪とか。
誰にも見せていない、触れられていない、この布の下にある肌やその奥に隠された部分まで―――なにもかも、自分だけのものにしたい。
肌から滑らせるようにガウンを脱がせると、細い肩が現れて。
簡単に折れてしまいそうな頼りない体つきに、改めて大切にしなくてはと気持ちを引き締める。
俺はAの腕を取ると、赤くなった肌にそっとキスをした。
背中を支えながら、Aをベッドに横たえて、体重をかけないよう覆いかぶさる。
「……優しくするから」
額と額をくっつけ、瞳と瞳を合わせる。
「Aのすべてを俺にちょうだい」
声も、体温も。
俺を見上げる熱っぽい瞳も。
そして、心も。
「全部、俺のものにしたい」
吐露した本音は、男の独占欲。
「……結弦くん……」
Aは指先で俺の前髪をすくうと、そのまま手を俺の後ろ首にまわして、ぐっと顔を近づけた。
「全部、結弦くんにあげる」
Aから与えられたキスは―――優しく、あたたかで。
ゆっくりと、少しためらうように。心細い息づかいで、大切なものを慈しむように触れてくる……。
キスと唇の、柔らかな甘さに、痺れるような眩暈が込み上げてきた。
唇を離して、俺を見つめるAの艶やかな表情に目を奪われた俺は―――心も支配されていく。
照明を落とすと、シーツの擦れる音と二人の吐息だけが残った。
◆甘美なSnow Drop 「甘い痛み−６」へ。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» アレは……好き勝手書いておきながらですが、恥ずかしくて読み返せません(笑)とりあえず、羽生さんに土下座します。鹿さんの作品も大好きなので、ずっと書いて欲しいです！ (2022年4月30日 20時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - アレなシーンお疲れさまです！もう、悶えました（笑）リアルすぎて！もう、もう、人様の作品は読んでて楽しいです＾＾永遠に書いててほしいです！ (2022年4月30日 10時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» ラブラブ、喜んでもらえてよかったです(^^♪ 私もこの場面を書くのに久々にニースロミオを鑑賞しました♡ (2022年4月22日 22時) (レス) @page20 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - ラブラブ楽しいです！癒やされます。永遠に続いて欲しいくらいです(♡‿♡)そしてニースロミオを見たくなりました！ (2022年4月21日 23時) (レス) id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 勢いで書いてしまいました(笑)しばらくはラブラブです♡ (2022年4月20日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年3月26日 21時
