甘い痛み−１ ページ19
コトコトとお鍋の蓋が湯気とともに音を立てる。
トマトをたっぷり使ったシチューは、５月とはいえ肌寒い今日の気候にぴったり。
あとはひたすら煮込むだけで、キッチンを離れても大丈夫だけど……。
ソファを背にして床に座っている結弦くんに目をやると、ゲームに集中しているのか、形のよい丸い頭がしきりに揺れていた。
そばにいきたい。
でも、変に意識しすぎて、どう振舞っていいのかわからなかった。
さっきのキスの後、
「続きは、夜にね」
と、囁かれた低く甘い声が耳から離れない。
お泊りデートを決めてから、頭の中はずっと結弦くんに占拠されていて。
十代の子みたいにそわそわしてる。
それもこれも、結弦くんが素敵すぎるのがいけないんだ。
と、ゲームのコントローラーをテーブルに置いた結弦くんはキョロキョロしている。
なにか探しているのかなぁ。
あ、テレビのリモコンか。
手にしたリモコンでテレビを点けると、今度は唇をはむっと噛んで番組表とにらめっこしている。
……可愛いすぎるでしょ。
そんじょそこらの女子じゃ太刀打ちできない。私は確実に負ける。
「Aー、ご飯できた？」
「え、うん」
「こっち、おいでよ」
にこにこと微笑んだ結弦くんに手招きされて、私は床に座る結弦くんと少し距離を置いてソファに座った。
「なんで、そっち？ ここ」
私を見上げた結弦くんは、自分の隣りをポンポンと叩く。
「う、うん」
ソファからズルズルとお尻をずらして、床に座り込むと―――長い腕が伸びてきて、ふわっと抱きしめられる。
「ゆ、ゆ、結弦くん……っ」
「んー？ ふはっ、なんて顔してんだよ」
超至近距離で切れ長の目がふっと緩む。
この綺麗な黒い瞳に、私はどんなふうに映っているんだろう？
「緊張しすぎだろ」
「だって、しょうがないでしょ」
「まあ、俺も緊張してるけど」
そう言うと、結弦くんは私の後ろ頭に手をやって、自分の胸にぐっと寄せる。
ドクン、ドクンと、早い鼓動。
「ね？」
いや、ね？ って、小首を傾げられても……。伝わってくる体温や甘い香りにパニックでどうにかなりそう。
「お」
「お？」
「お酒、買って来る」
これは酔わなきゃ、やってられない。
「えー、ほろ酔いのAも見たいけど、今日はやめとけよ」
四つん這いでソファの横のトートバッグから財布を出そうとした私の手に結弦くんは上から自分の手を重ねる。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» アレは……好き勝手書いておきながらですが、恥ずかしくて読み返せません(笑)とりあえず、羽生さんに土下座します。鹿さんの作品も大好きなので、ずっと書いて欲しいです！ (2022年4月30日 20時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - アレなシーンお疲れさまです！もう、悶えました（笑）リアルすぎて！もう、もう、人様の作品は読んでて楽しいです＾＾永遠に書いててほしいです！ (2022年4月30日 10時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» ラブラブ、喜んでもらえてよかったです(^^♪ 私もこの場面を書くのに久々にニースロミオを鑑賞しました♡ (2022年4月22日 22時) (レス) @page20 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - ラブラブ楽しいです！癒やされます。永遠に続いて欲しいくらいです(♡‿♡)そしてニースロミオを見たくなりました！ (2022年4月21日 23時) (レス) id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 勢いで書いてしまいました(笑)しばらくはラブラブです♡ (2022年4月20日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年3月26日 21時
