きみに恋した理由−６ ページ13
＜Yuzuru Side＞
「どこって言われても……」
困惑したAは鼻の頭を指先でかいて、難しい顔をしている。
俺のどこに惹かれたのか、知りたい。
Aの口から言わせたい。
青になった信号に車を発進させて、Aの答えを待つけど、いつまで経っても聞こえてこない。
「そんなに悩まなきゃ出てこんの？」
それはそれで、ショックなんだけど。
「じゃあ、いつから俺を好きだった？」
「え、そんなの」
「昔だから忘れたとかなしね」
「う……」
言い逃れできないよう付け加えておく。
「……最初からだよ、たぶん」
「最初？」
「高校生になって図書館で再会した日、一緒に帰ったでしょ」
「うん」
あの日から、結弦くんが図書館に来てくれるのを待つようになっていた―――と、Aが言う。
「Aがくれた飴の味、ちゃんと覚えてる」
真夏の日差しと甘酸っぱい飴。
二人並んで帰りながら、もう少し一緒にいたいと思ったこと。
「―――俺も、たぶんそう」
スケートで忙しい合間をぬって、図書館へ通った。
俺の顔を見て笑顔になるAにただ会いたくて……Aは、俺にとってずっと特別な人。
「結局、理由は後付けでしかないか」
なんでも分析して理由を求めてしまう、俺の悪い癖。
大事なのは、今、お互いを想っている気持ち。
「この土日は会える？」
こんなときに限って渋滞もなく、スムーズにAの家に到着する。
「うん」
「よかった。じゃ、また連絡する」
泊まれる？ と、聞こうとして、やめた。
誰よりも大切にしたいから。
心の準備ってのがいつまでかかるのかわかんねーけど、待つのも愛情。
「……結弦くん」
「なに？」
シートベルトを外したAが思い詰めた表情で俺を見上げる。
「どした？」
言いにくそうにしているAの顔を覗き込むと、目をそらされた。
「なんだよ？」
その態度に声が不機嫌になる。
「あのね、……結弦くんちにお泊りしてもいい？」
「へ？」
お泊りって、言った？
「……ダメ、かな？」
「え、いや。ダメなわけないし！」
恥ずかしそうに頬を赤くしているAが可愛くて、運転席から身を乗り出して抱きしめる。
「へへ、嬉しい」
そして、素早くキスをした。
「好き」
「ん、私も……」
素直なAにたまらなくなる。
あー、今すぐ連れて帰りたい。
だらしなく緩む顔を手で覆うけど、心は浮かれきっていた。
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エミル(プロフ) - 鹿さん» アレは……好き勝手書いておきながらですが、恥ずかしくて読み返せません(笑)とりあえず、羽生さんに土下座します。鹿さんの作品も大好きなので、ずっと書いて欲しいです！ (2022年4月30日 20時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - アレなシーンお疲れさまです！もう、悶えました（笑）リアルすぎて！もう、もう、人様の作品は読んでて楽しいです＾＾永遠に書いててほしいです！ (2022年4月30日 10時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ころねさん» ラブラブ、喜んでもらえてよかったです(^^♪ 私もこの場面を書くのに久々にニースロミオを鑑賞しました♡ (2022年4月22日 22時) (レス) @page20 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ころね(プロフ) - ラブラブ楽しいです！癒やされます。永遠に続いて欲しいくらいです(♡‿♡)そしてニースロミオを見たくなりました！ (2022年4月21日 23時) (レス) id: 800fd7d527 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 勢いで書いてしまいました(笑)しばらくはラブラブです♡ (2022年4月20日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年3月26日 21時
