雪の果て−２ ページ10
「明日、休みでしょ。泊まっていけば？」
「……、………」
さりげない口調の中に、込められた期待。
蒼の部屋に誘われる意味がわからないほど、私も子どもじゃない。
まだキス以上の関係はない私たち。
私の気持ちを尊重してくれている蒼に甘えているけど……付き合って数か月経つのに、このままじゃいけないと自分でも思う。
「泊まる準備していないし」
「必要なものならコンビニでも買える」
この期に及んで行かない理由を見つけようとする私。
いつもの蒼なら見逃してくれるけど、今日は譲らなかった。
当然だ、蒼にはその権利がある。
……どうしよう……。
体の関係を持ってしまったら、もう後戻りできない。
―――後戻り？
バカみたい、戻る場所なんてとっくにないのに。
「……A、どうする？」
前髪から覗く瞳は、私をしっかり捉えていた。
断ることはできる。
だけど―――私は、いつまで蒼を待たせるつもりなの？
蒼の優しさに頼りながら、結弦くんに恋したままでいるなんて……許されない。
「……うん、いいよ」
声が震えたのは、寒さのせい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 476人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
エミル(プロフ) - 澪さん、いつも好きコメントくださり、嬉しいです(*´ω｀*) 色気のある羽生さんを想像しながら書く自分はちょっと……ですが、引き続き萌えてもらえるよう頑張りますね。 (2022年3月25日 22時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - Isolaさん» Isolaさん、コメントありがとうございます。蒼目線のお話、需要あるのかなーと不安だったので、褒めてもらえて嬉しい〜♡ ラブラブな二人、ご期待に沿えるよう頑張ります！これからもよろしかったら、お付き合いくださいませ。 (2022年3月25日 22時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - すきぃぃぃい！エミルさんが書く羽生さん色気ダダ漏れでめっちゃ好きです！ (2022年3月24日 23時) (レス) @page50 id: 8e648ea481 (このIDを非表示/違反報告)
Isola(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！蒼さん目線での話の進行とても良かったです。羽生さんはもちろん主人公や蒼さんのキャラクターがよりクリアになって素晴らしかったです！早くラブラブな二人が読みたいっっ笑 (2022年3月24日 23時) (レス) @page50 id: 397f4569c5 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - さくらこ29504号さん» さくらこ29504号さん、コメントありがとうございます！羽生さんの色気は表現できないぐらいですけど、少しでも感じてもらえたら嬉しいです(*´▽｀*)更新、頑張ります！ (2022年3月24日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エミル | 作成日時：2022年2月17日 21時
