伝言−４ ページ4
＜Yuzuru Side＞
「もしかして、お姉さんの付き添い？」
「うん、送ってきたところ。中島さんはここで働いているの？」
思いがけない場所で同級生に会ったな。
「ここっていうか、系列の会社専属のブライダルヘアアーティストなんだ」
「へー」
彼女の話では、ヘアセット、メイク、ドレスコーディネイトを担当するらしい。
「ってことは、今日は姉の？」
「そうよ。羽生くんのお姉さんとは聞いていたけど、まさか本人がいるとは思わなかった」
スタッフさんに挨拶に来たと説明すると、中島さんは律儀だねと笑う。
「羽生くんはないの？」
「ん、なにが？」
「結婚とか。……って、あっても言えるわけないか」
「アハハ……」
言えるもなにも、マジでないもん。
「羽生くんも結婚するときはぜひここで挙式してね。結構、同級生が使ってくれてるんだよ」
「へぇ」
中島さんは何人かの同級生の名前を挙げる。
みんな、結婚してるんだ。まー、年齢的に早くもないか。なんて、感心していたら―――
「次は、Aかなー。綾瀬A、同じクラスだったでしょ」
薄く笑んでいた自分の顔が強張るのがわかった。
「……綾瀬、さん……。結婚するんだ……？」
聞くべきじゃない。やめておけ。頭では抗うのに、口が勝手に動く。
「ううん、そうじゃないけど。長年友だちでいた人と付き合い始めたから、結婚まで早いかなーって」
「……、………」
Aがアオイって奴と付き合うことは、本人から聞かされていた。
それでも、もしかしたら……考え直して、今もAは一人でいるんじゃないかって、都合よく思っていた。
二人は順調に付き合っているんだ……。
想像力というのは、残酷だ。
このとき、俺は思い浮かべてしまっていた。
あの男のそばで幸せそうに笑うAを。手に手を取って寄り添う二人の姿を。
自分で自分を打ちのめして、どうする……。
「あの子に彼氏ができて、私ホッとしてるんだ」
俺の気持ちなんて知らず、中島さんは話を続ける。
もはや拷問、耳を塞ぎたい。
だけど―――
「Aね、高校のときに好きになった人を忘れられなくて、誰とも付き合わず一人だったんだよね」
「―――え？」
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エミル(プロフ) - 澪さん、いつも好きコメントくださり、嬉しいです(*´ω｀*) 色気のある羽生さんを想像しながら書く自分はちょっと……ですが、引き続き萌えてもらえるよう頑張りますね。 (2022年3月25日 22時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - Isolaさん» Isolaさん、コメントありがとうございます。蒼目線のお話、需要あるのかなーと不安だったので、褒めてもらえて嬉しい〜♡ ラブラブな二人、ご期待に沿えるよう頑張ります！これからもよろしかったら、お付き合いくださいませ。 (2022年3月25日 22時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - すきぃぃぃい！エミルさんが書く羽生さん色気ダダ漏れでめっちゃ好きです！ (2022年3月24日 23時) (レス) @page50 id: 8e648ea481 (このIDを非表示/違反報告)
Isola(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！蒼さん目線での話の進行とても良かったです。羽生さんはもちろん主人公や蒼さんのキャラクターがよりクリアになって素晴らしかったです！早くラブラブな二人が読みたいっっ笑 (2022年3月24日 23時) (レス) @page50 id: 397f4569c5 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - さくらこ29504号さん» さくらこ29504号さん、コメントありがとうございます！羽生さんの色気は表現できないぐらいですけど、少しでも感じてもらえたら嬉しいです(*´▽｀*)更新、頑張ります！ (2022年3月24日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年2月17日 21時
