伝言−２ ページ2
「ここ数か月、無理して笑っているようにしか見えない」
「お母さんの気のせいよ」
私が反論すると、母親は深くため息をついた。
「なにがあってAが蒼くんと付き合うことにしたか、それは問わない。あなたは大人だし、自分の責任で判断したこと。でもね、母親だから、やっぱりAには幸せになって欲しいの」
責めるでもなく、諭すわけでもない。
母親が自分を心配していることが伝わってくるからこそ、居心地悪い。
「……幸せだから、私。放っておいて」
だから、そっけなく返してしまう。
「……そう」
「おやすみなさい」
この場から早く去りたくて、背を向ける。
「A」
「……なに」
「自分の心の声に耳を塞いでいたら、幸せになんてなれない。―――お母さんは、そう思う」
「………………」
穏やかな口調で放たれた言葉に、私は返事ができなかった。
明日着る服を用意しようと、クローゼットを開けると、嫌でも目につく隅っこに追いやったダンボール箱。
結弦くんの雑誌やDVDの上に置かれているのは、手袋と……結弦くんからの手紙。
捨てるべきだとわかってる。
でも―――どうしても、捨てられなかった。
バカみたい。
結弦くんとのことは夢だと必死に言い聞かせながら、思い出一つ捨てる勇気が持てないなんて。
自分の中での結弦くんの存在がどれほど大きなものだったか、考えまいとして目を背けようとしても、結弦くんの笑顔や瞳の色がふいに心に浮かんで、彼の声が私を追い駆けてくる。
逃げようとしても逃げられない、記憶の中で息づく面影が私を放さない。
失った想いに囚われてしまったら、私はどうなってしまうんだろう？
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エミル(プロフ) - 澪さん、いつも好きコメントくださり、嬉しいです(*´ω｀*) 色気のある羽生さんを想像しながら書く自分はちょっと……ですが、引き続き萌えてもらえるよう頑張りますね。 (2022年3月25日 22時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - Isolaさん» Isolaさん、コメントありがとうございます。蒼目線のお話、需要あるのかなーと不安だったので、褒めてもらえて嬉しい〜♡ ラブラブな二人、ご期待に沿えるよう頑張ります！これからもよろしかったら、お付き合いくださいませ。 (2022年3月25日 22時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - すきぃぃぃい！エミルさんが書く羽生さん色気ダダ漏れでめっちゃ好きです！ (2022年3月24日 23時) (レス) @page50 id: 8e648ea481 (このIDを非表示/違反報告)
Isola(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！蒼さん目線での話の進行とても良かったです。羽生さんはもちろん主人公や蒼さんのキャラクターがよりクリアになって素晴らしかったです！早くラブラブな二人が読みたいっっ笑 (2022年3月24日 23時) (レス) @page50 id: 397f4569c5 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - さくらこ29504号さん» さくらこ29504号さん、コメントありがとうございます！羽生さんの色気は表現できないぐらいですけど、少しでも感じてもらえたら嬉しいです(*´▽｀*)更新、頑張ります！ (2022年3月24日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2022年2月17日 21時
