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<Yuzuru Side>

「―――は?」

俺を好きなのをみんな知ってる……?


「あ、違う違う。ゆづくんとの関係は話していないよ。単純に、ガチの羽生ファンだと思われているってこと」

職員室の机の上にもゆづくんのグッズや写真いっぱい飾っているし。だから、職場の男性陣からは敬遠されてると、Aはあっけらかんと笑う。

「そ、そうなんだ」

これは、喜ぶところなのかな……。


「なんでそんなこと聞いてくるの?」

「え、あー」

俺が言い淀んでいると、Aはじっと黙って返事を待っている。


「……その、Aが綺麗になっていたから。恋をすると女の人は綺麗になるって言うじゃん」

「……、………」

「……………」

Aの頬がぽっと赤くなるから、俺もつられて顔が熱くなった。


「ゆづくんの目に私が綺麗になっているように映ったとしたら……」

「うん」

「それは、ゆづくんのせいだよ」

やっと耳に届くぐらいの小声でAが呟く。


「私は、もうずっと羽生結弦に恋しているから」


「………………」


「……なにか言ってよ。恥ずかしいでしょ!」

首筋から耳の先まで真っ赤になったAは空になったお椀を持って、キッチンへ行く。

いや、だって。
上目遣いで見つめられて、あの言葉。

破壊力ありすぎて、身動きどころか、息もできんかったわ。


胸に手を当てて何度か呼吸すると、じんわりと指先から全身まで甘ったるい砂糖水で浸された気分になる。


 
 

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設定タグ:フィギュアスケート , 羽生結弦   
作品ジャンル:恋愛
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エミル(プロフ) - くっきーさん» 短編、楽しみにしてもらえて嬉しいです!GIFT、想像をはるかに超えたショーでした。ハマりすぎて更新が滞っていますが、しばしお待ちくださいね。 (2023年3月2日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
くっきー(プロフ) - やっぱりエミルさんの短編すごく素敵です!泣GIFT大成功でしたね!!これからの展開楽しみです、、 (2023年3月2日 1時) (レス) id: 95130b7885 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 璃子さん» 似通った話になりがちなので、新鮮と言ってもらえて嬉しいです(*´ω`*)ファン目線だと羽生さんのそばにいられるだけで幸せ。でも、実際に彼女になる方は大変だし我慢することも多いんだろうなって想像します。本当に幸せになって欲しいと私も思います。 (2022年4月10日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
璃子(プロフ) - なんだか新鮮なお話でした。楽しく読ませて頂きました。実際お付き合いするとなったら…やはり今回の羽生さんのようにお相手を気遣って「俺といて楽しい?」とか気にしそうですよね。何にせよ幸せになって頂きたい方です。 (2022年4月10日 9時) (レス) @page23 id: a68a41f56a (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 鹿さん» 鹿さん、ほっこりしていただき、ありがとうございます(*^-^*)長編がアレなので、素直な二人にしました。幸せな羽生さん、増やしたい!会見は、羽生さんらしい世界観でした。 (2022年2月14日 21時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エミル | 作成日時:2022年2月12日 22時

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