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ほどけた絆−1 ページ27

<Yuzuru Side>

自分の想いを書き綴った便箋の最後に“結弦”と名前を記して、丁寧に折り畳み、封筒に入れて封をした。

何度も書き直して、時間がかかったけど。
今日投函すれば、俺が帰国する前にはAの手元に届く。


手紙を受け取ったAはどんな顔をするだろう。

どうせラブレターを書くなら……と、好きだという気持ちをストレートに表現したから。

きっと、照れて真っ赤になるんだろうな。


想像して、口元が緩む。

自分ながら、キモい。


 
 
 


**********
 
 


 
 
 
瞬く間に滞在期間は過ぎて、帰国する日。
ブライアンやトレーシーと再会を約束して別れの挨拶を交わし、空港へ向かう。

あと少しでAに会える。
そう思うだけで、羽が生えたように体が軽い。


トロントにいる間は、久しぶりにスケートに没頭できた。

途中、何度かAに電話かけたい衝動に駆られたけど、トロントへ来た理由を思い返してやめた。
恋に溺れても、スケートを疎かにはしたくない。

我慢したぶん、Aに会いたい気持ちが膨れ上がっている。

こんなに狂おしいほど誰かを恋しく思うなんてなかったから、渇望しすぎて会った瞬間に自分を抑えられないかも。


 
搭乗手続きを済ませると、ジャケットの袖をまくって腕時計を確認する。

俺は付き添いのマネージャーに声をかけてから、ラウンジに入った。
禁煙スペースにある一人掛け用のソファ席に座って、リュックサックからイヤホンを取り出す。

音楽を選んで、窓ガラスの外で離陸体制に入る機体を見るともなく眺めていたら―――なんとも表現しがたい顔をしたマネージャーが入り口でキョロキョロしているのが視界に映った。

どう考えても自分を探しているので、俺は自分の位置を知らせるように腰を浮かせる。
目が合ったマネージャーは早足で俺に近づいて来た。


「どうしました?」

彼が口を開く前に、自分から尋ねる。

いつも冷静沈着な年配のマネージャーの困惑した表情に、俺の第六感がざわりと音を立てた。


「実は、さっき会社から電話がありまして」

マネージャーは俺の隣のソファに座りながら、俺にタブレットを渡してきた。

「羽生さんと清水さんのことが……」

―――清水さんって……奈々ちゃん?


「いったい、なに―――」

受け取ったタブレットの画面、まず目に入ったのは、俺と奈々ちゃんの顔写真。


 
 
 
 

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設定タグ:羽生結弦 , フィギュアスケート   
作品ジャンル:恋愛
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にき(プロフ) - ヒロイン思わせぶりすぎる笑熱愛報道出ても好きな相手のこと信じてやれって!笑 (2022年12月20日 2時) (レス) @page37 id: ab0684a449 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - ほびまほぷさん» ほびまほぷさん、コメントありがとうございます。ここまですれ違うかなーと思いながら書いていました(^_^;)更新楽しみにしてくださるとのこと、今後も頑張ります! (2022年2月10日 9時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
ほびまほぷ(プロフ) - 2人がすれ違いすぎてめちゃくちゃ泣けました、、更新楽しみにしてます! (2022年2月10日 0時) (レス) @page45 id: ab6c13b289 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 凛音さん» 凛音さん、コメントありがとうございます。もちろん、最後はハッピーエンド……のつもりです! (2022年2月6日 19時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
凛音(プロフ) - 2人が結ばれますように…!!! (2022年2月6日 4時) (レス) @page44 id: f2426a3f71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エミル | 作成日時:2022年1月14日 14時

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