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ボーダーライン−4 ページ32

<Yuzuru Side>

「ごちそうさま」

俺は空になったお皿を重ねて、キッチンの流しへ持って行く。

「ありがとう」

先に食べ終わったAは、洗い物をしている。お礼は言っても、俺の顔は見ない。


「あと少しでドラマ始まるよ。続き、観る?」

先週Aと一緒に観ていた連ドラのチャンネルに合わせて、キッチンに立つ彼女の方を肩越しに振り返る。

「あー、今日はいい。リンクに送る時間になるまで部屋で休んでるね」

水が流れる音が止まり、Aは手をタオルで拭くと、自室へ戻って行った。

 
 
 
 

………、…………なんか、おかしい。


同棲を始めて最初の一週間は、夕食後は二人ともリビングで過ごしていた。ゲームをしたり、読書をしたり、別々のことをしていても同じスペースで同じ時間を共有していた。

それなのに、最近のAはリビングにいるときがない。

朝も昼も夜も、ご飯を済ませると、そそくさと自室に引っ込む。おまけに、俺と目を合わせようとしない。

 

………まさか、避けられているの? 俺。


まったく、心当たりねーんだけど。


変わった出来事があったとすれば……。Aの態度が素っ気なくなる前の日の晩、彼女がうなされていた声を聞いたってことだけ。

ダメ、とか、やめて、とか……嫌がっているような声だった。


―――まさか、俺の夢……?


いやいや、夢でうなされるほど彼女に対して嫌なことをした覚えはないし。


 
 
はあ……。やだな、スケート以外で心を煩わせたくないのに。

Aはやるべきことはしてくれている。部屋は掃除が行き届いて清潔だし、洗濯も、食事も、文句のつけようがない。姉ちゃんからたまにLINEがきてるようだけど、うまく付き合っているみたいだ。

だから、なにも問題ない。
避けられていたとしても、関係ない。

……はずなのに、どうしてこんなにもやっとするのか。


 
 
 
 
 
 
 
 
次の日。
昼前に起きてダイニングへ行くと、Aがテーブルの上にパンフレットみたいなものを広げていた。

「あ、おはよ」

俺を見ると、Aは慌てた様子でパンフレットを抱えて立ち上がる。


でも、目に入ってしまった。
 
 
 
 
 
 

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設定タグ:羽生結弦 , フィギュアスケート   
作品ジャンル:恋愛
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エミル(プロフ) - MERさん» MERさん、ご指摘ありがとうございます。気を付けます (2021年7月14日 23時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
MER - 所々美百合さんになってますよ (2021年7月14日 22時) (レス) id: 39acd1ff39 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 鹿さん» 鹿さん、初めまして。コメントありがとうございます。わくわくするって感想、とても嬉しいです♪羽生さん、大人っぽいですかね?今後も楽しんでいただけるよう頑張ります! (2021年7月12日 20時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - はじめまして!斬新な設定にわくわくしています^^ここの羽生さんはとても大人っぽいですね。大人な羽生さん大好きなので、嬉しいです!更新頑張ってください! (2021年7月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:エミル | 作成日時:2021年7月10日 18時

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