仮面−３ ページ37
＜Yuzuru Side＞
メンバーは、男女比が七：三ってところか。同年代が多いけど、中には親ぐらいの年齢層じゃないかっておじさんもいる。全員でアップをした後、チーム分けをして、ゲームが始まる。
そこには、俺の知らないAがいた。
味方からボールを受けたAは、あきらかに体格の違う相手にも怯むことなく、スピード感のあるドリブルでゴール前に切り込む。自分でシュートを打つのかと思ったら、ディフェンスを交わしてノールックで後ろから走ってきた味方に素早くパスをした。
その味方の男がゴールを決めると、Aは弾けるような笑顔でそいつとハイタッチを交わした。
高揚した熱気と躍動感が見ているだけで伝わってくる。
青い空の下、自由で開放感に満ちた空間で、世代も性別も立場も違う人間が一つのボールを繋ぎ、一つのゴールを目指す。
髪をなびかせたAの額に汗がきらめく。
俺と一緒にいるときは、どっちかっていうと控えめな笑い方で。……あんなふうに心から楽しんで笑っているAを見たことがない。
今日初めて顔を合わせる人たちなのに、共通の趣味がAの心のガードを下げているのだろうか。
それとも―――俺の前では、仮面を被っているの？
じわり……と、胸の奥に苦みが広がる。
俺は、ボールを真剣な表情で追いかけるAから、そっと目をそらした。
「ごめんね、待たせちゃって。退屈しなかった？」
シャワーを浴びたのだろう、車に乗り込んできたAからは石鹸の香りがした。
「うん。A、かなり上手なんだね」
フットサルは詳しくないけど、女子メンバーの中では動きはダントツでよかったと思う。運動神経よさそうに見えなかったから、意外な一面だ。
「楽しかった？」
「うん、久しぶりだったし。すごく楽しかった」
その返事を裏付けるように、Aが破顔する。
―――俺と一緒にいるよりも楽しかった？
一瞬、心に浮かんだ問いを、バカバカしいと俺は打ち消した。
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エミル(プロフ) - MERさん» MERさん、ご指摘ありがとうございます。気を付けます (2021年7月14日 23時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
MER - 所々美百合さんになってますよ (2021年7月14日 22時) (レス) id: 39acd1ff39 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 鹿さん» 鹿さん、初めまして。コメントありがとうございます。わくわくするって感想、とても嬉しいです♪羽生さん、大人っぽいですかね？今後も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年7月12日 20時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - はじめまして！斬新な設定にわくわくしています＾＾ここの羽生さんはとても大人っぽいですね。大人な羽生さん大好きなので、嬉しいです！更新頑張ってください！ (2021年7月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2021年7月10日 18時
