契約−８ ページ27
＜Yuzuru Side＞
彼女の視線の先には、もうすぐ公開予定の映画の宣伝をしている俳優が映っているテレビの画面。俺たちと同年代で最近人気のあるイケメン俳優だ。
「この俳優、好きなの？」
「え、うん。ファンってほどじゃないけど」
へー、そういや佳菜が言っていたっけ。俺は、外見も性格もAにとって対象外だと。
「ちなみに他にはどんな芸能人が好きだったりすんの？」
「あー、そうだね……」
Aが何人かの俳優やアイドルの名前を挙げる。
全員揃いも揃って、彫の深い目鼻立ちのくっきりした顔立ちで、どっちかっていうと上背があってがっちりした体型。
重ねて聞けば、性格は無人島でも生き抜けるようなアクティブで頼りがいがあって、年上の包容力がある人がいいらしい。加えて、料理好きだから、たくさん食べてくれる人。
なるほど、笑えるぐらい自分とは真逆だな。
薄い公家顔だし、軟弱ではないけど、どっちかっていうと母性本能をくすぐるタイプと評されている。たくさん食べるとか論外。
………、………聞くんじゃなかった。
「結弦くんは？ どんな子がタイプなの？」
「俺？ ……俺は、んー、昔は年上の綺麗な女性で、気が強い感じの人がよかったけど……」
思い浮かべるのは、元カノ。一筋縄でいかないような、ミステリアスな雰囲気に征服欲を掻き立てられた。
「今は、一緒にいて安らげる人、かな」
いろいろ経験して、歳も取って、最近はつくづく思う。外で戦っているぶん、中では気を使わずに甘えられてくつろげる相手がいいって。
「ふーん」
Aはテレビに釘付けになったまま、気のない返事を寄越す。
……興味ないなら聞くんじゃねーよ。真剣に答えて損したわ。
Aが出かけて、俺も練習着に着替えて軽くトレーニングしようかと立ち上がったところで、スマホが鳴りだした。
『もしもーし、ゆづ。元気―？』
やたらに響く元気いっぱいな声に、俺は一瞬スマホを耳から離す。
朝っぱらから、テンション高い。
『……佳菜、なに？』
『なに、ってひどいなー。昨日から同棲してるんでしょ。様子どうかなと思って』
『べつに、うまくやってるよ。まだ始めたばっかだし』
リビングを出て、自室に戻りながら答える。
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エミル(プロフ) - MERさん» MERさん、ご指摘ありがとうございます。気を付けます (2021年7月14日 23時) (
レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
MER - 所々美百合さんになってますよ (2021年7月14日 22時) (レス) id: 39acd1ff39 (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 鹿さん» 鹿さん、初めまして。コメントありがとうございます。わくわくするって感想、とても嬉しいです♪羽生さん、大人っぽいですかね？今後も楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年7月12日 20時) (レス) id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
鹿(プロフ) - はじめまして！斬新な設定にわくわくしています＾＾ここの羽生さんはとても大人っぽいですね。大人な羽生さん大好きなので、嬉しいです！更新頑張ってください！ (2021年7月12日 16時) (レス) id: ac41a7df10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エミル | 作成日時：2021年7月10日 18時
