・ ページ14
Aside
「Aちゃんさ、俺のこと好き？」
どうしよう、好意が顔に出ていただろうか。
「俺はAちゃんのこと、ずっと好きやったで」
「…へ？」
驚きすぎて私は飲もうとしていた水を思わずこぼしてしまった。健くんはえ？そんな衝撃？と半笑いしながら店員さんを呼んでくれた。
店員さんに感謝の言葉を伝えてから、お手洗い行ってくると健くんに伝えて私はトイレの方に走っていった。
トイレの鏡に映る私の顔は真っ赤。そりゃ告白されると思ってなかったもん、あの健くんに。
「ごめん、お待たせ」
「大丈夫？体調悪い？」
「いや、違くて。気持ちに整理が…」
健くんは私を聖母のような眼差しで心配してくれている。
「あの、健くん。私…健くんが好きです」
「…っまじか」
「え？大丈夫？健くん？おーい！健くん！」
健くんはなぜか机に突っ伏してしまった。
はぁーとクソデカため息をキメた健くん。元気で面白い健くんのイメージとは真逆な態度になっていた。
もしかしてさっきの告白ドッキリだったの…？
私がガチになっちゃって困らせちゃった…！？
「あ、あの…もしかして健くんの好きって言葉、ドッキリだった？私がガチ告白しちゃって困らせちゃってる…？」
「ちゃうから…」
だったら何でだろう。
嬉しさ…？そうだったら私も嬉しいな、なんてことを考えていたら、机に突っ伏していた健くんは勢いよく顔を上げて私の手を掴んで、
「好き。待たせてごめん。俺と結婚してください」
そう言ってくれた。
涙が出るほど嬉しくてあの頃健くんと出会えて、結婚の約束をして、シロツメクサを受け取ってよかったと心から思った。
「なぁなぁシロツメクサの花言葉って知ってる？」
帰り、道端に咲いているシロツメクサを見つけた健くんがそう呟く。
「知ってんで。約束って意味やろ？小さい頃の健くんセンスええな〜」
中学校の頃、花言葉や宝石言葉にハマったことがあった。
1番初めに調べたのは健くんから貰ったシロツメクサについて調べたな〜と思い出した。
「実はなもう1つあんねん」
健くんは絡ませていた手を離して、私の目の前に跪くと
「幸運って意味」
と言いながら、シロツメクサを私の指に指輪のように巻いた。
「Aちゃんのこと、絶対幸せにしたる」
「待たせた分、ずっと一緒にいてよね」
「当たり前や」
健くんはそう言い、私の髪にそっとキスをした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 307人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：晴 | 作成日時：2022年11月29日 19時
